【パリ=三井美奈】北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が7日、トルコの首都アンカラで開幕した。ルッテ事務総長は演説で、防空システムなどで合計数百億ドルの産業契約が決まったと強調。欧州に不満を示すトランプ米大統領に向けて、「米欧同盟の産業革命」の経済効果を訴えた。
7日、首脳会議にあわせて、デンマークやドイツなど欧州4カ国による米軍需大手ノースロップ・グラマンの偵察用ドローン(無人機)購入が発表された。ルッテ氏は「お金はある。どんどんやってくる」と述べ、欧州とカナダの防衛支出が昨年だけで20%近く伸びたことに言及した。軍需産業には大きなチャンスだと強調した。
今回の首脳会議は、トランプ政権の要求に応じて、各国が国防費の増強努力を示す場となった。NATOの7日の発表によると、欧州とカナダの国防費は2026年推計で計6340億ドル(約102兆円)。国内総生産(GDP)比で平均2.53%にのぼった。25年は2.31%だった。
昨年のNATO首脳会議では国防費を35年までにGDP比3.5%とする目標を掲げており、欧州で今年達成したのはリトアニア(5.33%)、エストニア(5.1%)、ポーランド(4.68%)など5カ国だった。NATOの目標は、サイバー対策などの安全保障経費を含めて、防衛関連でGDP比5%とすることを定めている。