大相撲の関脇・若隆景(31)=荒汐=が名古屋場所(12日初日・IGアリーナ)を休場することが6日、決まった。師匠の荒汐親方(元幕内・蒼国来)が明らかにした。先場所で2度目の優勝を果たし、今場所は大関昇進への足場固めが期待されていたが、1日の稽古で左太ももを負傷。血行障害で神経まひなどを引き起こす「コンパートメント症候群」と診断され、壊死(えし)の恐れもあったことから緊急手術を受け、現在も入院中。復帰のメドは立っておらず、長期離脱の可能性も出てきた。
整形外科専門医の馬見塚尚孝氏(ベースボール&スポーツクリニック=川崎市中原区)
「コンパートメント症候群はラグビー、サッカー、キックボクシングなどコンタクトスポーツに多い。一般人はほぼならない。太ももは珍しく、報告を調べてもあまり事例はない。太ももの筋肉は例えれば電車の車両みたいに区画(コンパートメント)が分かれている。
アスリートは筋トレをするので筋肉が詰まっており、JR山手線(を走る電車)が満員のような状態。そこに打撲、血管損傷などで出血することにより満員電車にさらにお客さんが入ってくると中の血液の流れが悪くなる。手術は筋肉の膜を切開して、筋肉を出して楽にする。つまり電車のドアを開けて客を外に出すイメージ。
すぐに対処すべきなのが症候群の特徴だが、緊急手術を判断した病院が良かった。手術をしても筋膜が開いたままなので腫れが引いてもう一度閉じる手術を行うので名古屋場所は出られない。でも腫れは引いて患部が閉じれば復活の可能性は十分にある。私はまた土俵に戻れると見ている」
◆コンパートメント症候群 骨、筋膜、筋間中隔などで囲まれた区画(コンパートメント)に血行障害が発生し、筋肉や組織が悪化して壊死や神経麻痺することを指す。前腕、下腿、大腿部に起きやすく、症例の多くは交通事故やスポーツでの外傷。