第5話

‎🤍 続
2,303
2026/03/26 09:43 更新
春休み中毎日投稿しようと思ってたのですが昨日投稿できなくてごめんなさい🙇
今日はいつもより長めにしたし、今日中に柔太朗くん目線の話もだす予定なので楽しく読んでもらえると嬉しいです🫶
それでは本編へどうぞ👋





ー勇斗sideー

「....柔?聞こえてる?」

もう一度名前を呼ぶけど、反応は鈍いままで。
力が抜けたままの体が、腕に預かってくる。

舜「え、どんなけ我慢してたの、39.2°ある。」
周りがざわついている。

仁「まじか、とりあえず、どうする?医務室運ぶ?」

その言葉に、一瞬迷う。

でも。

「……いや、俺が連れてく」

気づいたら、そう言ってた。

太「え、大丈夫?」

「家、近いし。落ち着く方がいいでしょ」

自分でもちょっと強引だと思うくらい、すぐに言葉が出る。

仁「タクシー呼ぶわ」

仁人が動いてくれて、話が一気に進む。

太「俺ら次仕事あるから勇ちゃんよろしく。」
舜「なんかあったら連絡して。」

「了解。」

短く返して、そのまま外に出る。

タクシーの中でも、何度か名前を呼んだけど反応はなくて。
ただ静かに、呼吸だけが続いてる。

——ほんと、無理しすぎ。

小さく息を吐いて、視線を落とす。

家に着いて、急いで鍵を開ける。
そのまま部屋に入って、ベッドに寝かせた。

「……とりあえず」

軽く整えて、布団をかける。

額に手を当てると、やっぱり熱い。

「これで平気なわけないだろ……」

そう呟いたとき。

柔「……ん、」

かすかな声に、すぐ顔を上げる。

「……柔太朗?起きた?」

ゆっくりまぶたが開いて、ぼんやりした視線がこっちを向く。

柔「……ここ、」

「俺んち。倒れたから連れてきた」

短く説明すると、少しだけ間が空いた。

状況を理解しようとしてるみたいに、視線が揺れる。

柔「……迷惑」

ぽつりと落ちたその一言。

小さく呟く声。

思わず、ため息が漏れた。

「ほんとにそう思うなら、最初から無理すんなって」

少しだけ強く言ってから、ふっと視線を外す。

「水、持ってくる」

そう言って部屋を出たはずなのに。

ドアの前で、足が止まる。

……今の顔、ちょっと気になった。

小さく息を吐いて、そのまま引き返す。

静かにドアを開けると。

ベッドの上で、柔太朗が俯いたまま動いてなくて。

「……柔?」

声をかけても、返事はない。

近づいて顔を覗き込んだ瞬間、少しだけ肩が震えてるのに気づいた。

「……泣いてんの?」

思わずそう聞くと、びくっと小さく揺れて。

少し間があってから、

柔「……泣いてない」

かすれた声。

全然、隠せてない。

「いや、それ無理あるだろ」

思わず小さくため息が漏れる。

さっきの「迷惑」って言葉が、頭に浮かぶ。

……まさか。

「それ、気にしてんの?」

しゃがんで目線を合わせると、
少しだけ迷う気配のあと。

柔「……だって」

途切れ途切れの声。

柔「迷惑、かけたし……」

その言葉で、やっと分かる。

「……迷惑なわけないじゃん。」

さっきより、ゆっくり言って抱きしめる。

ちゃんと伝わるように。

「むしろ、何も言わずに無理される方が困るんだけど」

そう続けると、

柔「……でも」

小さく返ってくる声。

まだ納得してないのが分かる。

抱きしめていた体をさらにギュッとする。

びくっとしながらも、避けはしなくて。

「....いいから、今はそんなこと考えなくていい。」

頭を優しく撫でる。

少しだけ間を置いて、

柔「……ほんとに?」

不安そうに落ちてくる声。

その一言に、胸が少しだけ締まる。

「ほんと。」

短く、はっきり返す。

それ以上迷わせないように。

「今はちゃんと休め、寝てろ」

そう言って、少しだけ距離を取る。

「水持ってくるから」

立ち上がりながら、もう一度だけ振り返る。

さっきより少しだけ、呼吸が落ち着いてる気がして。

「……あとでしっかり事情聴取な。」

立ち上がって、ドアの方へ一歩踏み出す。
そのとき。

柔「……待って」

かすれた声に、足が止まる。

振り返ると、シーツを少し掴んだまま、こっちを見てて。

柔「……行かないで」

一瞬、言葉が出てこなかった。

柔太朗が、こんなこと言うの珍しくて。

「……は?」

思わず聞き返すと、少しだけ目を逸らして。

柔「……今だけでいいから」

弱く付け足された、その直後。

柔「……ごめん、やっぱ迷惑」

声が揺れる。
さっきより明らかに弱くて、今にも崩れそうで。

「……はぁ」

小さく息を吐いて、そのままベッドの横に戻る。

「迷惑じゃないって言ってんだろ」

さっきより少しだけ優しく言う。

「こういう時くらい、頼れよ」

それだけ伝えて、ベッドの端に腰掛ける。

「……わかったよ。いる」

そう言うと、ほんの少しだけ力が抜けたみたいで。

「ほら、寝ろ」

促しても、すぐには目を閉じなくて。

不安そうに、まだこっちを見てる。

「大丈夫」

短く言って、軽く頭に手を乗せる。

ゆっくり撫でると、少しずつ呼吸が落ち着いていく。

「……ほんと、無理すんなよ」

小さく零しながら、そのまましばらく手を置いたままにする。

やがて、規則的な寝息に変わっていくのを感じて。

「……やっと寝た」

安心したように息を吐く。

「……今日はちゃんと見とくから」

誰にも聞こえないくらいの声で呟いて。

起こさないように、お粥を作りに行った。

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