ー勇斗sideー
太「次のLIVEの構成さーー」
太智が話し始めて、いつも通り始まった打ち合わせで会話が進む。
真面目な空気で、ちゃんと話を聞いて、意見を出して。
........のはずなのに。
ふと横を見る。
舜「柔ちゃんここどう思う?」
柔「....あー、いいと思う。....」
少しだけ間があってからの返事。
珍しい。
柔太朗がこういうときに加えて自分の意見言わないのがほとんどないのに。
仁「休憩しよっか。」
その声で休憩となり、空気が緩む。
みんなそれぞれソファに移動したり、水飲んだりしてる中で、
なんとなく視線が柔太朗に向いた。
……静かすぎる。
いつもなら、こういうタイミングでもスマホいじってるか、
適当に会話に混ざってくるのに。
今日は、ただ座って俯いてるだけ。
「ね、さっきから大人しくない?」
軽く声をかける。
ゆっくり顔を上げた柔太朗は、いつも通りの顔で。
柔「別に」
短い返事。
それで終わるはずなのに、妙に引っかかる。
「いや、なんか変。さっきもふらついてたし。」
そう言った瞬間、ほんの一瞬だけ動きが止まった。
——やっぱり。
柔「気のせい」
視線を逸らしながら返される。
誤魔化してるの、分かりやすい。
じっと見てると、だんだん違和感がはっきりしてくる。
顔、赤いし。
呼吸も、少しだけ早い。
「顔、赤いよ」
そう言うと、また視線を外された。
逃げてる。
柔「……平気だから」
小さく返ってきた声は、さっきより弱くて。
——絶対、平気じゃない。
そう思った瞬間。
あいつが立ち上がろうとして、ふらっと揺れた。
「え、ちょっーー」
慌てて手を伸ばす。
でも、一歩遅くて。
体がぐらっと傾いたまま、支えきれない。
「危ない!」
思わず声が大きくなる。
なんとか腕を掴んだけど、力が入ってなくて。
そのまま、ずるっと落ちてくる。
仁「え、どうした?」
すぐ近くにいたメンバーが駆け寄る。
太「大丈夫?!聞こえてる?」
太智が顔を覗き込んで、名前を呼ぶ。
「やっぱ、めっちゃ熱い。」
舜「え?まじ?」
舜太が額に手をあてて確認する。
舜「これヤバイかも、体温計借りてくる。」
ーーやっぱり。
「だから言ったのに....」
小さく呟く。
さっきの違和感、全部繋がる。
仁「とりあえずソファ運ぼ。」
太「水とか必要なもの買ってくる!」
メンバーが動き出す。
その中で支えてる体重だけがやけに重くて。
「やっぱ無理してたじゃん....」
小さく呟いた声は、自分でもびっくりするくらい焦ってた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。