第3話

‎🤍 続
2,619
2026/03/23 23:00 更新
本編の前に佐野くんお誕生日おめでとう!!活躍応援してます!昨日佐野飯年齢制限?あって見れなかったの悲しい😭
急だけどそれでは本編へどうぞ



ー柔太朗sideー



画面を見ていれば、少しは誤魔化せると思った。
何も考えずに済むし、周りも話しかけてこない。

——はずなのに。

立ち上がろうとした瞬間、ふっと足元が揺れた。

……やば。

一瞬だけ、視界が白くなる。
反射的にテーブルに手をついて、何もなかったみたいに姿勢を整えた。

誰も見てない。
……いや、多分。

「移動するよー」

よっしーの声に、軽く頷いて歩き出す。
足は動く。問題ない。
ただ、体がやけに重いだけ。

廊下に出た途端、空気が少しひんやりして。
それだけで、妙に寒気がした。

おかしいな。

こんなことで、いちいち気にしてたらキリがない。

前を歩くメンバーとの距離が、少しずつ空いていく。
早く追いつかないと、って思うのに、足が思うように前に出ない。

「……大丈夫」

小さく呟いて、自分に言い聞かせる。

大したことない。
これくらい、どうってことない。

そうやって誤魔化しながら、一歩踏み出した瞬間——
ほんの少しだけ、バランスを崩した。


——けど。

何事もなかったみたいに、一歩踏み直す。
そのまま何歩か進めば、さっきの違和感も消えた気がした。

大丈夫。
今のはただの立ちくらみ。
前を歩く背中に、少しだけペースを上げて追いつく。
顔に出てないか、それだけ気をつけながら。

「次のLIVEの構成さ——」

横で始まった打ち合わせに、適当に相槌を打つ。
ちゃんと聞けてる。返事もできてる。

だから、問題ない。

「——休憩しよっか。」

よっしーの声を聞いた瞬間、張ってた気が一気に抜けた。

……ちょっとだけ休めば、大丈夫。

そう思って目を閉じかけたとき。

「ね、さっきから大人しくない?」

勇ちゃんの声が降ってきて、ゆっくり顔を上げる。

「別に」短く返す。
それで終わらせるつもりだったのに。

「いや、なんか変。さっきもふらついてたし」

気づかれてた少しだけ、息が詰まる。

「気のせい」

それだけ言って視線を逸らす。

けど。


「顔、赤いよ」

その一言で、逃げ場がなくなった気がした。



「……平気だから」

それだけ言って、視線を逸らす。

これ以上何か言われる前に、動いた方がいい。

ゆっくり立ち上がろうとして、椅子に手をついた。

——その瞬間。

一気に視界が揺れた。

「……っ」

思わず息が詰まる。
足に力を入れたはずなのに、うまく踏ん張れない。

やば。

そう思ったときには、もう遅くて。

ぐら、と体が傾く。

「え、ちょっ——」

誰かの声が遠くで聞こえた気がした。

支えようとした手も、空を切って。
そのまま、力が抜ける。

——まずい。

そう思ったのに、もうどうにもできなくて
視界が暗く落ちていった。

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