AIスライド資料の作り方
URLを1本渡すと、会社紹介スライドが完成する。
「AIでスライドが作れる」という話をすると、たいてい「で、プロンプトはどう書くの?」と聞かれます。
正直なところ、僕はそこにあまり本質はないと思っているんですよね。
プロンプトは大事です。でも、プロンプトを磨くだけだと、どこかで見たような“それっぽいけど薄いスライド”で止まる。何度やってもそうなる。なぜか。
結論から言うと、AIスライドで一番効くのは「素材を集めさせること」でした。
この記事は、その話です。会社のURLを1本渡すだけで、その会社「らしい」会社紹介スライドが立ち上がるところまで持っていく。
📌 Claude Code / Codex に渡す“下ごしらえ用”の長いプロンプトは、記事の最後にまとめて置いておきます。 (ChatGPTでスライドを生成するときのプロンプトは、本文の中=ステップ2に置いてあります。)手っ取り早く使いたい人は、そこだけ持っていってOKです。
できあがったもの
今回はnoteで書くので、noteさんの会社紹介資料をサンプルで作っていきます。(もしダメだったら言ってください。勝手に作ってごめんなさい。ダメだったら消しますので、、、)
下記が生成したスライドです
…みたいなのが作れます。
今回は会社紹介のケースを想定して作りました
やったことは、ものすごく雑に言うとこれだけです。
今回はnoteで記事を書くので、noteさんのURLを、コーディングAI(Claude CodeやCodexみたいな、調べてファイルを作れるタイプのAI)に渡して、こう言いました。
この会社を徹底的に調べて、スライドの素材を全部集めて、フォルダにまとめてzipにして。
しばらく待つと、調査レポート・デザイン指針・スライド構成・コピー・公式素材50点超が入ったzipが出てきます。
そのzipを、今度は画像生成できるAIに渡して「この通りに作って」と言う。すると、ブランドカラーもロゴもちゃんと守った会社紹介スライドが、26枚ぶん出てくる。最後はPPTX1ファイルにまとまる。
人間がやったのは、URLを渡す/途中でスクショや好みを差し込む/順番を直すだけです。
AIは、2人いると思ったほうがいい
ここが一番のキモなんですが、性質の違うAIを2人、分業させるのがコツです。(下ごしらえ担当&仕上げ担当)
① コーディングAI(Claude Code / Codex 等)
└─ 調べる・素材を集める・整理する・zipにする ← 下ごしらえ担当
↓ zipを渡す
② 画像生成AI(ChatGPT / Claude の画像生成)
└─ スライドを1枚ずつ画像にする・PPTXにまとめる ← 仕上げ担当
↑↓ 人間が間に入る(スクショ・順番・好み)1人のAIに全部やらせようとすると、だいたい中途半端になります。
調べて手を動かす作業は、ファイルを作れるコーディングAIが圧倒的に得意。 絵にする作業は、画像が出せるAIが得意。
得意なやつに得意なことをやらせる。それだけの話なんですが、これを分けた瞬間に質が変わります。
一番大事なところ:AIは「素材」を持っていない
さて、本題です。
AIは文章を書くのは、めちゃくちゃ得意です。でも、ここを勘違いしている人が多い。
その会社の本物のロゴ・製品写真・IRの図版・サービス画面・経営陣の写真を、AIは“持っていない”んですよね。
だから素材を渡さずにスライドを作らせると、AIは「それっぽい何か」を捏造します。ロゴは似て非なるものになり、グラフは中身のないダミーになる。一見それっぽいのに、見る人が見ると一瞬で「あ、ハリボテだ」とバレる。
ここで効くのが、コーディングAIへのこの一言です。
公式サイト・プレスキット・ブランドガイドライン・IR/決算資料・ニュースから、使える素材を可能な限りダウンロードして、整理して、資料に埋め込めるようにして。
素材が増えると、何が変わるか。
嘘がなくなる → 本物のロゴ、本物の数字、本物の画面が並ぶ
“らしさ”が本物になる → ブランドカラーや世界観が再現される
仕上げのAIが迷わない → 「ここにこの画像」と指定できる
実際に今回は、決算説明資料のPDF(数十ページ)を落とさせて、そのページを画像として切り出し、図版素材にするところまでやらせました。KPIのグラフも、サービスの図解も、全部“本物”。
プロンプトを神がかった一文に磨くより、素材を泥臭く集めさせるほうが、よっぽど効く。ここが、技術的にはいちばんの“効きどころ”でした。
ステップ1:コーディングAIに下ごしらえさせる
最初に、コーディングAIに「調べて・素材を集めて・整理して・zipにして」とお願いします。
渡すプロンプトの全文は記事の最後に置きますが、ポイントだけ先に言うと、手取り足取り指示しないことです。
細かく指図するより、ゴール(迷わずスライドが作れるキット)と判断基準(素材を集める・誰を主役にする・ブランドを守る)だけ渡して、あとは「自分で判断して。性能を信じてる」と言う。最近のAIは、こう投げたほうがいい仕事をします。
出てくるのは、こんなフォルダです。
◯◯調査用/
├── 調査レポート.md
└── 会社紹介資料/
├── デザイン指針.md
├── スライド構成.md
├── 画像生成プロンプト集.md
├── コピーライティング集.md
└── 素材/(ロゴ・ブランド・サービス画面・会社・IR資料 …)これがzipで手元に来ます。ここまでが下ごしらえ。
ステップ2:画像生成AIに、スライドにさせる
下ごしらえのzipを、今度は画像が出せるAI(ChatGPTの GPT Image 2 など)に渡します。zipを添付して、こう言うだけ。
このzipを全部読んで。スライド制作キット一式です。デザイン指針とコピーと素材が入っている。必ず全部読んでください。画像も見てください。続きも投げます。ここがコツなんですが、「さっきと同じ条件で」と略さない。毎回、条件をフルで書き直します。略すとAIは途端に手を抜いて、グリッドにまとめたり枚数を間違えたりするので。
次の10枚を画像生成してください。
10枚を1枚のグリッドやコラージュにしない。各スライドを完全に独立した画像として10枚出力する。
1画像につき1スライドのみ。n=10。次の6枚を画像生成してください。
6枚を1枚のグリッドやコラージュにしない。各スライドを完全に独立した画像として6枚出力する。
1画像につき1スライドのみ。n=6。最後に、
全てをまとめてPPTXにしてください。順番は直してください。AIは放っておくと“良かれと思って”勝手なことをします。グリッドにまとめたり、気を利かせて枚数を変えたり。だから、やってほしくないことほど、毎回しつこく明示する。 これは画像生成にかぎらず、AIに何かをやらせるとき全般のコツだと思っています。
なぜ「10枚ずつ」なのか、と、失敗したときの話
(ここは気になる人だけ読んでください。長ったるいと感じる方もいるかもなので)
枚数には理由があります。ChatGPTの画像生成は、一度に最大10枚まで。 だから10枚ずつに区切って、最後は残り(今回なら6枚)に合わせる。「n=10」「n=6」と書いているのは、そういうことです。
で、正直に言うと——一発でキレイに10枚出すのは、そんなに簡単じゃないです。 僕も、1枚ずつプロンプトを作り込んだり、指示の書き方を変えたりと、けっこう試行錯誤しました。
仕組み的には、たぶんこうなんですよね。ChatGPTの裏側で実際に絵を描いているのは、また別の画像生成AI。こっちの意図が、その内部の画像AIにちゃんと伝われば成功するし、伝わらないと失敗する。 そして、この「意図を伝える」が地味に難しい。
なので、失敗することは普通にあります。そのときは、淡々とこうします。
もう一度投げる(同じプロンプトでも結果は揺れるので、わりとこれで通る)
原因を考えて、プロンプトを言い換える
新しいチャット(タブ)を開いて、やり直す
これを繰り返せば、だいたい通ります。僕の手元でも実際に成功しているので、まずは最初の10枚から、気軽に試してみてください。
(▶ ここに「生成できたスライド例」の画像を2〜3枚差し込む)
日本語が崩れたら
画像生成は、日本語の長文がよく崩れます。崩れたら 「文字は入れず、背景・イラスト・レイアウトだけ作って」 と指示して、文字はPowerPoint側で打つのが結局いちばん速い。ロゴは生成させず、素材フォルダの公式ロゴをそのまま置く(色変え・改変はしない。ブランドガイドラインでだいたい禁止されてます)。
ステップ3:人間が“間”に入る
全自動を目指さないのもコツです。人が入ると一気に化けるのが、この3つ。
スクショや実画面を差し込む(手元の本物を足す)
順番を直す(物語として気持ちいい流れに)
好みを伝えて微調整(「ここは余白もっと」「この数字でかく」)
AIの性能は信じる。でも最後の“感じ”は人が握る。 ここのバランスだと思っています。
技術の前に、決めることがある——「誰を主役に立てるか」
素材を集めるのは、いわば“ハリボテにしないための土台”です。でも、土台がしっかりしていても、刺さるとは限らない。刺さるかどうかは、もっと手前で決まります。
「誰を主役に立てるか」。 これを最初に決めるかどうか、です。
同じ作り方をしても、主役に立てる相手は会社ごとに変わるんですよね。
ある老舗メーカーでは → 製品の系譜と、現場で働く技術者を主役にした
あるクリエイタープラットフォームでは → 創作する一人ひとりを主役にして、会社自身は“黒子”として描いた
会社紹介だからといって「うちの会社、すごいでしょ」をやると、読んだ社内の人がいちばん寒い。逆に、その会社が本気で誇りに思っている相手——顧客、現場、ユーザー、作品——を主役に立てると、「お、わかってるな」と感じてもらえる。
自社の良さって、自社を大声で褒めて伝わるものじゃない。“誰を大切にしているか”で伝わる。だからこの一行を、コーディングAIへのプロンプトにも必ず入れています。
ここだけは、プロンプトのテクニックの話じゃなくて、そもそも何を伝えたいんだっけ、という話なんだと思います。
会社紹介以外にも、だいたい効く
{資料の目的} を変えるだけで、同じパイプラインが回ります。
提案資料(相手企業のURLを渡す → “相手を理解した提案”になる)
採用ピッチ(自社URL+「働く人を主役に」)
サービス・製品紹介(プロダクトページのURL)
登壇スライド・LT(テーマのURLや資料)
調べる・集める・整える、をコーディングAIに。絵にする、を画像生成AIに。 この分業を覚えると、資料づくりの下ごしらえはかなりラクになります。
!!!!!!!!!!
!!!まとめ!!!
!!!!!!!!!!
AIは2人いると思って、分業させる(調査&素材集め / スライド化)
一番効くのは素材。本物のロゴ・写真・図版・IRを集めさせて、埋め込ませる
プロンプトはゴールと判断基準を渡して、性能を信じる
誰を主役に立てるかを最初に決める(自慢でなく、大切にしている相手を立てる)
人間は“間”に入る。スクショ・順番・好みは人が握る
URLを1本渡すところから、始められます。よかったら試してみてください。
以上です。
【付録】Claude Code / Codex に渡すプロンプト(全文)
これが“下ごしらえ”担当のコーディングAIに渡す、長いほうのプロンプトです。{ } の中だけ書き換えれば、そのまま使えます。(ChatGPTでの生成プロンプトは、本文ステップ2に載せたものがそれです。)
あなたはプレゼン資料の下ごしらえをしていただきます。
これから渡すURLの対象について、後工程の画像生成AIが迷わずスライドを作れる
「制作キット」を、フォルダにまとめてzip化してください。
あなた自身に調査は任せますので、どれだけ時間がかかってもいいです。
■ 対象URL:{会社の公式サイトURL}
■ 資料の目的:{例:会社紹介+サービス紹介/採用ピッチ/提案資料}
■ 想定枚数:{例:20〜30枚}
# いちばん大事なこと
- 素材を集めまくって、資料に埋め込めるようにすること。
あなたの強みは文章だが、本物のロゴ・写真・図版・IR資料は持っていない。
公式サイト・プレスキット・ブランドガイドライン・IR/決算資料・ニュースから、
使える素材を可能な限りダウンロードして整理して。
(決算説明資料などPDFは、ページを画像として切り出して図版素材にしてよい)
素材が多いほど、資料は嘘がなく、本物になる。
- 時間をかけていい。手段は任せる。自分の判断で進めて。性能を信じている。
# やること
1. 対象を徹底的にWebリサーチ(会社概要・沿革・経営陣・ミッション/バリュー・
事業/サービス・実績や数字・直近トピック・公式ブランドカラー)。
一次情報を優先し、出典URLを残す。
2. 公式素材を大量に収集してフォルダに保存(ロゴ各種/ブランドガイドライン/
サービス画面/経営陣写真/IR・決算資料PDFとそこから抜き出した図版画像/プレス画像 など)。
3. 次のドキュメントを書く(Markdown):
- 調査レポート(徹底調査)
- デザイン指針(その企業のブランドを忠実に再現する配色・ロゴ規定・タイポ・トーン)
- スライド構成(全◯枚。各ページに“どの素材を使うか”まで明記)
- 画像生成プロンプト集(画像生成AIにそのまま渡せる指示)
- コピーライティング集(各スライドの本文。流し込み用)
- 素材取得ログ(出典と用途)
4. すべてを1つのフォルダにまとめ、UTF-8の文字化けしないzipにする。
# 判断のコツ(必ず守る)
- まず「誰を主役に立てるか」を決める。会社の自慢資料にしない。
その対象のいちばんの価値(製品/現場の人/顧客/ユーザー等)を主役にし、
会社はそれを“支える存在”として描く。何を立てるかは対象ごとに違う。自分で見極めて。
- ブランドに忠実に。公式ロゴの使用規定(色・改変禁止)やブランドカラーを調べ、必ず守る。
- 数字は手柄ではなく物語として見せる(「すごいでしょ」ではなく「これだけの人に届いた」)。
- 正直に。取り違えやすい素材(人物写真と名前の対応など)は「未確定」と明記する。推測で断定しない。
- 文章は、その対象の文体・トーンに寄せて書く。
最後に、フォルダ構成と、注意点(素材の著作権・情報の最新性など)を報告して。ここまで読んでいただきありがとうございました。
皆様も良き生成AIライフを


コメント