トライが新潟水俣病の被害者にも謝罪 「遺伝する」誤った教材問題
「水俣病は遺伝する」という誤った内容の教材をアプリとユーチューブで公開していた「家庭教師のトライ」を運営するトライグループ(東京)の執行役員2人が18日、新潟市を訪れ、新潟水俣病の被害者に謝罪した。被害者側は教材に被害者の証言などを採り入れることなどを求めた。
訪れたのは、同社の阿部正純・執行役員ら。同市北区の新潟県立環境と人間のふれあい館(新潟水俣病資料館)で「新潟水俣病被害者の会」など3団体の9人に面会。「あってはならない表現だった。申し訳ございません」と謝罪した。ユーチューブなどで正しい内容とおわびを盛り込んだ動画を公開し、教材作成の際のチェック体制を強化したなどと説明した。
「これまでしてきたことが水の泡」
被害者の会会長の小武節子さん(88)は24年間にわたって新潟水俣病の「語り部」を務めてきた。「水俣病に対する正しい知識を持ってもらおうと頑張ってきた。それなのにこれまでしてきたことが水の泡になって悲しい」と抗議した。
「新潟水俣病阿賀野患者会」会長代行の曽我浩さん(77)は「教育が曲がった方向に行くと本当に恐ろしい。非常にショックを受けている。しっかりして欲しい」と注文をつけた。
阿部氏は「真摯(しんし)に受け止めたい。正しい情報発信をすることを約束したい」と語った。3団体は同社側に対し、誤った内容の教材ができた経緯を調べて文書で回答するよう求めた。
「語り部の講話を映像教材に組み入れて」
3団体は面会に先立つ7月4日、同社が水俣病の教材を作成する際は現場を視察して被害者の話を聞くことや、被害を伝える語り部の講話を映像教材に組み入れるよう申し入れていた。これに対して阿部氏は「検討したい」と語った。阿部氏らはこの日、「新潟水俣病患者会」にも別に面会して謝罪した。
誤りがあったのは、映像学習サービス「Try IT」の中学歴史で4大公害病を動画と文章で説明する教材。同社によると、アプリでは2015年11月ごろから21年3月ごろまで、ユーチューブでは16年1月から25年5月まで公開。アプリは推計7千回程度、ユーチューブでは7万回余り再生されたという。批判を受けて同社は6月25日、熊本県水俣市でも患者らに謝罪している。
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