魚津、新潟に6000億円拠点 イスラエル大手・タワーセミコンダクター 半導体製造、国が1600億円支援
●光通信用の量産推進 イスラエルの半導体受託生産大手タワーセミコンダクターは14日、魚津市と新潟県妙高市で、光通信用の半導体の製造拠点を整備すると発表した。総投資額は約6千億円で、経済産業省が約1600億円を助成する。光通信用の半導体は通信の高速化に対応でき、電力消費も抑えられる。既存施設を拡充して2027年5月から供給を開始し、次世代技術の生産力と供給網の強化を図る。 ●投資、助成とも県内最高額 富山県によると、県内に拠点を置く企業が富山の半導体工場に行う投資の額として過去最高とみられる。経産省による県内事業所に対する助成額としても最高となる。経産省が14日、経済安全保障推進法に基づき整備計画を認定し、助成を決めた。助成の条件として10年間の継続生産や需給逼迫時の優先供給を求めた。 新田八朗知事は14日の定例会見で「富山の産業振興にとって歴史的な転機となる」と述べ、関連産業の集積や人材育成の加速が期待できると強調。データセンターなど成長分野の戦略的な誘致を推進し、魚津での大規模投資の効果を県内全体に波及させることに意欲を示した。 人工知能(AI)の普及で電力消費の増加が見込まれる中、通信の高速化や省電力につながる次世代技術の重要性が高まっており、光通信用の半導体の需要が高まるとみられる。 タワーセミコンダクターの半導体生産を巡っては、今年3月に魚津市の製造拠点での大規模投資計画が発表された。富山県が半導体産業推進チームを設置し、新田知事が4月に赤沢亮正経済産業相に対し産業クラスター形成への支援を要望した。 赤沢氏は14日の閣議後会見で、タワーセミコンダクターの大規模投資に関して「AI・半導体のサプライチェーンが一層強靱化することを期待している」と述べた。 ●タワー社「連携深める」 タワー社は14日、富山新聞の取材に応じ、今回の投資の目的が需要の拡大する人工知能(AI)やデータセンターに対応するためと説明した。今回の投資額の内訳は非公表とした。 同社のラッセル・エルワンガーCEO(最高経営責任者)は「日本の顧客、サプライヤー、大学および研究機関との連携を深める」とのコメントを出した。 ●「持続可能な街に」村椿魚津市長 タワーセミコンダクター魚津工場への大規模投資を受け、村椿晃市長は14日、「魚津工場が世界の先端技術を支える重要拠点として力強く飛躍することを意味し、大変うれしく、誇りに感じている。歴史的な好機を確実に捉え、地方創生と持続可能な街づくりにつなげていきたい」とのコメントを出した。 ★タワーセミコンダクター 米国やイタリアなどに拠点を持つグローバル企業。米国とイスラエルの株式市場に上場しており、時価総額は7月現在で約5兆円に上る。魚津市の工場は同社が51%、台湾企業の日本法人「ヌヴォトンテクノロジージャパン」が49%の株式をそれぞれ持つ合弁会社が運営する。合弁会社は砺波市にも工場を持ち、今年3月に魚津工場をタワー社、砺波工場はヌヴォトン社が来春から運営する再編計画を発表している。