7/16(朝) 本日の市況と解説コラム

7月15日の米国市場は、前日のCPIに続き6月の生産者物価指数(PPI)も市場予想を下回る伸びとなったことでインフレ懸念が和らぎ、主要指数は揃って上昇しました。米長期金利の低下を追い風にアップルやマイクロソフトなどの大型ハイテク株が相場を牽引し、ナスダック総合指数は162.22ポイント高(+0.62%)の26,269.23で終了。ダウ平均も好決算を発表した金融株の上げが支えとなり、前日比150.37ドル高(+0.29%)の52,658.64ドル、S&P500も0.38%高と揃って反発しました。

今週ここまでは、トランプ大統領の発言などでイラン情勢が不安定化、日米ともに相場も膠着感が高まっていますね。

前回のトランプ発言の時もそうでしたが、発言の真意はつかみがたく、不確実性を嫌う市場心理が再び前向きに上向くには少し時間がかかるかもしれません。

目先の不穏なニュースばかりを見ていると心が揺さぶられてしまいますが、こんなときこそ、あえて超長期のデータをながめて、引いた目線を取り戻すのもおススメです。

こちらです↓
これは、1900年以降の「主要な地政学イベントとダウ平均」を重ねたグラフです。

「毎年、悪いニュースはある」というタイトルの通り、過去100年以上の歴史を振り返れば、世界大戦、大恐慌、ベトナム戦争、キューバ危機、ブラックマンデー、ITバブル崩壊、世界金融危機、そして近年のパンデミックやウクライナ侵攻、イラン戦争など、常に市場を脅かす重大なバッドニュースが途切れることなく発生してきたことが分かります。

しかし、グラフの青いラインの軌跡を見れば一目瞭然です。個々のイベントの瞬間には一時的な下落調整やウロウロする時期を挟むものの、歴史の引力はそれらの危機をすべて乗り越え、大局としては力強い右肩上がりのトレンドを描き続けています。

人類の経済活動の進歩と強靭さは、目先のどんな悪いニュースよりも強いということです。今の地政学リスクやニュースによる揺さぶりも、この長い歴史の1コマに過ぎません。過度にパニックになることなく、大局の大きな流れを信頼してどっしりと構えておきましょう。
 
さて、もうひとつ足元の相場とは全く関係ない、別次元の話をします。

テーマは、現在市場でささやかれている「AIバブル」についての考察です。いわゆる温故知新として、過去の歴史的なデータを見つめ直してみましょう。

こちら↓
これは1990年代末から2000年初頭にかけて起きた「ITバブル(ドットコムバブル)」の時のチャートです。このグラフは、S&PからIT株(情報技術セクター)だけを切り離して計算した推移を示しています。

これを見ると、いかに当時の「バブル」というものがすさまじい勢いだったかが分かります。他のセクター(情報技術を除くS&P)がほぼ横ばいで推移している中、IT株のトータルリターン指数だけが天を突くように急上昇し、その後一気に崩壊しています。

現在AIブームに当てはめると、AI関連=ハイテク中心のナスダック100がこのグラフのIT株に近い指数になるかと思います。しかし、現在のナスダック100とダウ30やその他の主要指数との関係性を見ても、当時に比べればここまで極端に大きく乖離はしていないと感じます。※一部の半導体などにはそれらしい動きもありますが

バブルかどうかは、結局のところ「後になって(崩壊して)初めてわかるもの」です。そのため、現時点でこれ以上の推論を重ねる意味はさほどありません。ただ、この歴史的なグラフの歪み方と比較すると、個人的には現状をまだ「バブル」とまでは呼べないように思うのですが、皆さんはいかがでしょうか。(^^)

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