断絶したはずの「旧宮家」当主を名乗り、「衣冠束帯」姿で登場し…「ニセ有栖川宮事件」 1200万円を詐取したカネまみれ「結婚パーティー」の一部始終 【皇室典範改正案が衆院可決】
10日、衆議院で皇室典範の改正案が可決した。参議院でも可決され、成立すれば現在の典範が制定されてから初のこととなり、皇室制度の大転換となる。その中心となる改正のポイントは、以下の2点だ。 【写真を見る】皇族にしか見えない!“見事すぎる変装”、衣冠束帯と十二単姿で登場した「ニセ有栖川宮夫妻」、詐欺結婚パーティーでの姿
(1)女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することを可能にする。 (2)旧宮家の男系男子が養子縁組によって皇籍を取得することを可能にする。 各論において与野党で意見の相違はあるが、上記2点は有識者会議の報告書を受けて行われた衆参の与野党協議を経て、「立法府の総意」として政府に報告されたものに沿っており、成立が有力視されている。 となれば、今後、(2)に当たる旧宮家の存在がクローズアップされ、重みを増していくことになるのは疑いないところだ。 一方で、旧皇族と言えば、権威と知名度の高さゆえに、その名が悪用されてきた過去があるのは周知の通り。旧皇族の名を利用した詐欺まがいの事件が数多く引き起こされてきたが、その最たる例と言えるのが、今から23年前の「ニセ有栖川宮事件」であろう。 2003年、旧皇族の「有栖川宮」の継承者を名乗る男らが都内で結婚パーティーを開き、出席者から祝儀として現金約1200万円を騙し取ったとして、「夫婦役」の男女らが詐欺容疑で逮捕された事件である。 有栖川宮家は室町時代以降に誕生した4つの世襲制の宮家「世襲親王家」(他に伏見宮家、桂宮家、閑院宮家)のひとつである。世襲親王家の当主は、生まれた時の身分は天皇から遠く離れた「王」であっても、代々、天皇や上皇の名目上の養子とされて「親王」に任ぜられ、皇位継承権を有してきた。有栖川宮家は江戸時代初期に創られ、第111代後西天皇が誕生した由緒正しい家系であるが、大正時代に断絶した(ちなみに、桂宮、閑院宮家も既に断絶しており、今典範改正で復帰の対象となる「旧宮家」は、伏見宮系で1947年に皇籍を離脱した旧11宮家のことである)。 「週刊新潮」では、詐欺の舞台となった「結婚パーティー」が開かれた際、いち早くその奇妙な有様を取材し、詳報している。「皇族」の名はいかに人々の心を狂わせるか――。以下、当時の記事を再録し、その魔力の大きさを改めて認識してみよう。 【前後編の前編】 (「週刊新潮」2003年4月17日記事を一部編集の上、再録しました。文中の年齢、肩書等は当時のものです) ***