スクラッチビルドという「テクニック」は無い
概論
と、言うことでガチり気味にスクラッチ&ビルドについて解説する。
世に言うスクラッチビルドは元々スクラッチ&ビルドと言われていた。「かき集めて」&「作り上げる」の意味であり、実は何か別のキットパーツとか洗濯機の排水ホースとか時計のバンド使っても良いし、その意味ではミキシングビルドとの境目は曖昧だ。
世間様では偶にプラ板やパテから形作るのをスクラッチビルドと考えてる人がいるが……
例えばこれ。エポキシパテ捏ねて作ったドラゴン頭。これ単体で見たら「スクラッチビルド(フルスクラッチビルド)と言うだろうか?
フルスクラッチですか? と問われたら私はこう答える。
塑像造形ですが
英語でいうとPlastic sculptureとかClay modeling
間違いない俺ちょっと英語に自信ある。
じゃあこれはフルスクラッチだろうか?
木彫ですね。彫刻ならsculptureとかcarvingなんて言う。
技法や材料「かき集める」からスクラッチなのであり、それらを組み上げるからビルドなのよ。
映画「エイリアン」のギーガーデザインエイリアンにはホースなどの「そこらにあるモノ」使ってたりするから「スクラッチビルド」である。ラテックだけで作ってたら中々そうは言えないが(かき集めて無いからである)、形にするのが重点でそのために「とりあえずモノをかき集める」のがスクラッチの重要な部分だ。
言わば無差別級なんでもあり造形がスクラッチビルドであり、なんでかき集めるかと言うと、工業量産されたモノを持って来た方が左右対称や正確な形を出しやすいからだ。手軽だし。
むかーし(中学生時代)にブラスティースクラッチした時も、ラウンドグローブ(機体後方の2つの球)部分には釣りの丸ウキ使った。
丁度赤道位置にライン入ってて二つにぶった斬りやすいし、値段も安く、軽くていい。球体としての精度も高いしな!
(粘土で精密な球体こさえて左右バランス取るのダルいだべな)
塑像も彫刻も「テクや素材を混ぜる」事は余りしない。象嵌するってぐらいやろか?
モノのカタチを作ることを「モデリング」と言う。そのアプローチ方法としてスカラプチャー(主として盛り付け)とかカービング(主として切削)があり、特定のアプローチではなく「なんでもやる」のがスクラッチビルドなのである。一応今挙げた3種のモデリングの中ではスクラッチが1番難易度低い。使う技法や素材を自由に使えるからな!
もちろん「なんでもあり」だからスカラプチャーやカービングだって使えるし、なんならリックディアスを石粉粘土で作る人もいる。なんでか知らんがフォルモでMS作ってもーたらスクラッチではなく塑像なんよな……技法も素材もかき集めて無いから。
使えるなら何を使っても構わない。ティッシュペーパーでも宝石でもネジでもネジキャップでもナットでも熱収縮チューブやバルサ材、割り箸手芸のビーズ、ネイル用ステッカー、板鉛にウキにテグスに……スクラッチなら寧ろプラ板やパテに拘らず「ありとあらゆるモノ」使って行け。
日常・非日常問わず、あらゆるモノやカタチをモデルの素材として考える。ある意味ではそれが「スクラッチ&ビルド」であり、精神性とかアプローチの方法が「スクラッチビルド」なのである。
まぁ、ぶっちゃけ「アリもんかき集めて形にしました」を横文字にしたのがスクラッチ&ビルドなんですけどね。
いいなと思ったら応援しよう!
方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!

コメント
6英語の「scratch」には、確かに名詞の前に配置して「寄せ集めの、急ごしらえの」という意味を表す形容詞的な用法が存在しますが、模型や造形の分野で使われる専門用語の「scratchbuild(scratch-building)」は、同じ語源から派生した言葉ではあるものの、それとは全く異なる文脈で成立した言葉です。英語圏の辞書や模型の歴史において、この用語は明確にイディオムの「from scratch(=何もないゼロのスタートラインから)」をベースにして生まれた複合語であり、単語単体に別の意味(寄せ集め)の選択肢があるからといって、すでに「ゼロから作る」という意味の構造で成立している専門用語「scratchbuild」にそのニュアンスを混同させるのは、実際の用法や言葉の発展の歴史を鑑みた場合、適切ではないものと愚考します。
割と英語からの話を引っ張る人いるが、ゼロベースから作るからの派生なら、私の様にエポキシパテで全部作ったり仏像の木彫なんかもスクラッチビルドに分類される筈だが、フィギュア自作とかをフルスクラッチって言わないの何でよ? セミスクラッチなんて語も40年前にはあったが、それ形容矛盾だし。バードカービングやフィッシュカービンみたいなプラモデルの前段まで遡れば、ゼロベースから作るのは「当たり前」だからそれに専門用語は要らないんだ。プラモデルという概念が出来てから逆に「全部自分が作る」ってのが「普通ではない」ので語が出来たってのが実情じゃないの? 戦中から戦後にかけてのライトプレーン(竹ひごの骨組みに紙貼ってゴム動力のプロペラで飛ばす模型飛行機)なんかも今の定義では「フルスクラッチ」だが、当時はそれ当たり前で誰もフルスクラッチなんて言わないぞ。
プラモデルに対するカウンターとして「スクラッチビルド(自作)」という言葉が定義・普及した、という歴史的経緯については妥当と思いますが、「scratchbuild」という語が、英語の「from scratch(何もないスタートラインから、ゼロから)」というイディオムを語源として成立した歴史的事実は、これと何ら矛盾するものではありません。
また、「セミスクラッチビルド」を形容矛盾とされる点についても、実際の用法とは乖離があるように見受けられます。模型界における「セミスクラッチビルド」とは、主要部分は完全にゼロから自作しつつ、キャノピーの透明部や着陸脚、あるいはミサイルなどの外部兵装といった細部のディテールにのみ、既製品パーツを流用・改修して組み込む高度な工作を指します。
実質的な作業の大部分は「ゼロからの自作」でありながら、一部に流用パーツを含んでいるため、完全な「フルスクラッチ」と誠実に区別するために用いられる言葉です。これを「ゼロからではないから形容矛盾だ」として排除してしまうのは、実態における工作のグラデーション(自作率の比率)を無視した、少し乱暴な言葉の当てはめ方に感じられます。
語源としての「ゼロから(from scratch)」という事実と、既存プラキットとの対比で生まれた模型用語としての歴史、そしてモデラーの誠実な工作区分のためのグラデーション。これらはすべて地続きで両立しているものです。付言するならば、(主に趣味としての文脈での)模型とは、プロセスそのものに重きを置きます。よって、言葉の意味・内包する概念。それらは明確に定義され、共有されるべきものというのが、言葉はそもそもなんのためのツールか、という点においても了解され得るものと考えます。
言葉の語源や定義は、そのものの経緯やそれが成立するに至った過程などに基づいて構築されたまさしく「定義」であり、しかしその言葉が変遷する、という視座があることもまた真ですが、だとしても、いやだからこそ、歴史的事実や成立過程そのものを歪曲して恣意的な再定義を行うことは、単なる言語の変遷とは明確に区別されるべきものです。本来の語源の歴史を意図的に無視し、都合よく言葉を書き換えてしまうことは、言葉の正確性を担保する観点からもやはり適切ではないと考えます。