自分が無意識に持っていた偏見に気づく
僕は、高齢の方にはデジタル機器の操作が苦手な人が多いと、偏見を持っていることに気づかされた。もちろん、機械の前で戸惑っていた人もいる。でも、それは見た目の年齢で判断するべきではなかった。
目の前には、僕よりも新しい仕組みを自然に使いこなし、スマートに病院をあとにする高齢の女性がいた。僕の失礼で、勝手な思い込みはあっさり裏切られた。
時代に取り残されていたのは、どちらだったんだろう。
自分自身の凝り固まった先入観も含め、その出来事以来「時代に取り残される」という言葉が頭から離れない。
若い人は新しいものを受け入れられる。年を重ねると変化についていけなくなる。そんなふうに、僕は勝手に白黒つけていたようだ。しかし、MRIやエコーを撮ってもなお簡単に白黒つけられない僕のしこりもあるわけで……人の価値観や世代を、そんな簡単に分けられるはずがない。
最近、マイホーム計画を進める中で、古道具やアンティーク家具を見る機会が増えた。特に惹かれるのが、水屋箪笥だ。昭和のはじめ、70年〜80年前につくられた家具が多いのだが、驚くほど新鮮に見える。前板が一枚板で作られていたり、背の高いものでも、上下を切り離して別々に使える工夫がされていたり、今ではほとんど見かけない美しい装飾がほどこされていたり。
「昔」の家具を見たかったはずなのに、それらからは今の家具にはない「新しさ」を感じることが何度もある。古いと思っていたものが、なんだか新しいもののように思えて、新鮮に見えてくる。
昨日、病院で出会った女性も、僕にとっては同じだった。勝手に見た目で判断し、デジタルが苦手なのではないかと決めつけてしまったのに、軽やかに新しい仕組みを使いこなしていた。
音楽もそうだ。気づけば僕は、昔から好きなアーティストばかり聴いている。新しい音楽が嫌いなわけではない。ただし、以前と比べると、自分から探しに行くことが減ったように思う。知らないものより、知っているものを選ぶほうが楽だし、好きなものを聞いていればハズレがないと思ってしまう。
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会社員
つーたん
教育関係の会社に勤める会社員。2021年4月、芸人のバービーさんと結婚。
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