<浪速風>将来の地球防衛に役割を果たしたトリフネ。神話につながる絶妙な命名

探査機はやぶさ2が撮影した小惑星トリフネの画像(JAXA、東京大、千葉工業大、東京科学大、産業技術総合研究所、パリ天文台、カナリア天体物理研究所提供)

古事記は、イザナキとイザナミの神生み神話で鳥之石楠船の神(とりのいわくすふねのかみ)が生まれたと伝える。別名天鳥船(あめのとりふね)。鳥には水鳥のように速く進むという意があり、石は堅牢(けんろう)の意味だ。クスノキで作られた堅牢な、よく走る船神と解釈される。

▶その別名がついた小惑星トリフネの至近距離を探査機はやぶさ2が秒速5㌔の超高速で通過するフライバイに成功し、鮮明な画像の撮影にも成功した。「北海道にある1円玉を沖縄から射貫くような制御」というからまさに神業だ。

▶高い精度で小惑星のそばを通過できたことは、ぶつけて軌道を変えることもできることを意味し、今回の成果はプラネタリーディフェンス(地球防衛)に役立つ。そういえば天鳥船は現世の成り立ちを説明する国譲り神話でも高天原から遣わされて活躍する。それが将来の現世を守るのに重要な役割を果たすとは。絶妙な命名に感じ入る。

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