「仕事は1時半まで猛暑時間は働かない」 “酷暑日元年”の新常識 大手建設会社が取り組む究極の熱中症対策
かつての基準や常識を超えた暑さ…その影響は、私たちの仕事にも。 実は、国際的な医学誌「ランセット」が主導した研究によると、2024年の日本で、暑さによって働けなくなったり、作業効率が低下したりして、実質減った労働時間は、およそ29億時間になるという。 【画像】気温計では計測不能となった60度超えの作業現場 東京の最高気温が31.6度となった10日、Mr.サンデーが訪ねたのは、東京都と千葉県の境を流れる江戸川に、新たな水門を造る公共工事の現場。 大手建設会社・大林組が請け負い、炎天下での作業が行われていたが… 大林組 江戸川水閘門工事事務所・米田慶太所長: 作業用の船の上ですけど、甲板上ってことでちょっとモワッときますよね 足元に温度計を置いてみると… Mr.サンデー取材班: エラーが出た 計測不能だ… そこでサーモカメラで撮影。一番温度が高い場所が白で表されるが…足元を中心に高温部分が広がり62度以上を示している。 一般的なアスファルトの路面も、近年では、60度を超えることが珍しくない。 ◆“酷暑”の新常識?猛暑時間は働かない そんな暑さに晒されて働く人たちの熱中症対策が急がれてきた中…こちらの企業では13日から、常識を覆す新たな働き方を始めるという。 それが、現場に掲げられていた「サマータイムチャレンジ」「猛暑時間は働かない」! 大手建設会社・大林組が13日から始める、酷暑日元年の新しい働き方とは? 大林組 江戸川水閘門工事事務所・米田慶太所長: 通常であれば8時から17時までの(昼休みを挟んで)8時間を作業する時間とするのが一般的ですけれども、この現場に関しては7時半から13時半までを通し作業としてやっていこうと思います 勤務開始を朝7時半に前倒し。さらに1日の作業時間を2時間減らして昼1時半までにすることで、暑さの厳しい午後は働かないという取り組みだ。 ◆色々対策を講じても熱中症はゼロにならず… 作業時間を削っても給与を減らすことはないというが、そこまで思い切った熱中症対策に踏み切った理由とは… 大林組 江戸川水閘門工事事務所・米田慶太所長: この現場でやっている作業で言えば、彼ら自身が火傷しないような厚着をしてやってる状況で。夏になったら薄着にできるかというとできませんので。また、集中力を保たないと危険な作業も多い。 実はこちらの企業では、ここ数年すでに、様々な熱中症対策を講じてきたという。 現場に並んだ、クーラーボックス。冷えたドリンクが入っているが、もう片方はなぜか氷のみ。 すると、作業員がやって来て氷にジャブジャブ手を入れ冷やしている。 Mr.サンデー取材班: 気持ちいいですか? 作業員: 最高です。 大林組 江戸川水閘門工事事務所・米田慶太所長: プレクーリングといって例えば手を入れると、この動脈・静脈部分からこの冷えた血液が伝わっていけば、熱中症予防に効果が高いと。 さらに、このトラックの荷台は冷凍車を活用し、短時間で体温を下げるクールダウンルームになっていた。 Mr.サンデー取材班: うわー冷えてる 休憩室にあるのが、特殊な冷蔵庫で作ることができる、通称“飲める氷”。 大林組 江戸川水閘門工事事務所・米田慶太所長: これに振動を与えますとシャリシャリになるような状態です。どうぞ Mr.サンデー取材班: 冷たい 振動すると、微細な氷が現れ、フローズン状態に。効率よく体の内部を冷やせるという。 さらに、最新のテクノロジーも導入。 大林組 江戸川水閘門工事事務所・米田慶太所長: 各作業員につけている体調を確認できるウェアラブルデバイスの数値が、こういった形で見られます。 作業員全員が腕時計型の端末を装着。常に心拍数や暑さ指数などを測定し、熱中症の危険があると自動で通知され、すぐに休憩するなど対応できる。 しかし近年、これだけ対策してきても、熱中症をゼロにはできなかったという。 大林組 江戸川水閘門工事事務所・米田慶太所長: (熱中症は)作業員の体調だとか様々な要素(個人差)によって発生するところがあってですね。抜本的な対策として(全員の)作業時間を短縮するというところにもう一歩踏み込んで、対策を取ったというところです。 朝早くから働いて、午後は休む。 これに作業員は… 作業員: 率直にうれしいですね。日が昇ってきて午後2時ぐらいが一番ちょうど気温が高くなる時期なので 一方で、こんな不安の声も… 現場管理者: 不安と思うのは、作業時間が短くなるんで工程なり、やれるものも必然的に少なくなってくるんで、それをどう工夫して進めていくか。その辺が問題ではないかと。 酷暑の夏、日本人の生活は、今、確かに変わり始めている… (「Mr.サンデー」7月12日放送より)
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