部下たちが付き合っているといううわさを聞いた上司。男はそれを本人たちに問い詰めるも否定され、部下の自宅に隠しカメラを仕掛けた。
映像で二人の姿を確認した男は、部下たちの性行為を撮影したいと計3台の隠しカメラを設置し、逮捕される。法廷で男は何を語るのか。
留守中に忍び込みエアコンにカメラを仕掛けて部下カップルの性行為を盗撮する上司【裁判傍聴記・前編】 から続く
会社を解雇され再び不動産業に就職する無神経さ
弁護人「逮捕勾留されて自分の行動が異常だと考えましたか?」
被告人「考えました。警察の取り調べを受けて文字で見た時に自分でもおぞましいと思いました」
弁護人「被害者の供述調書は読みましたか?」
被告人「はい。Aさんは刑務所から出ないでほしいと言っていました」
弁護人「被害者から恐怖を感じられている、気持ち悪いと思われているのはわかります?」
被告人「はい」
弁護人「二人の関係を悪くしてしまったことは理解しています?」
被告人「はい。女性からしたらそうだと思います」
弁護人「二人には示談を拒否されたんですか?」
被告人「はい。一人100万円ずつ提示しましたが拒否されました」
弁護人「逮捕後、仕事はどうなったんですか?」
被告人「会社を解雇されました。保釈後、再就職をしたのですが、本件の話が上がってきたみたいで、話し合いの末、退社せざるを得ず自主退社しました」
不動産業に従事しながら、他人の家に勝手に侵入しカメラを仕掛けたこの男は会社を解雇され、保釈後、再就職していた。その再就職先は驚くことにまた不動産業であった。事情を知らず採用したものの、再就職先が本件のうわさを聞き、本人に問いただし自主退社させたのであろう。
検察官「最初にカメラを購入したのはいつですか?」
被告人「令和6年12月とかだったと思う(事件3ヶ月前)」
検察官「何のために購入した?」
被告人「ツーリングを撮れるものを探していました。その次くらいに購入する時は盗撮用で買ったと思います」
検察官「AさんとBさんの気持ちを考えなかった?」
被告人「設置する時は思わなかったが画像を見て嫌悪感を覚えた」
検察官「嫌悪感を覚えても続けたんですよね?それはなぜ?」
被告人「カメラが中国製で思うようにキレイに撮れなかったので」
検察官「自分の考えがものすごく自己中心的ってわかっています?」
被告人「今はわかっています」
検察官から執拗(しつよう)に再犯防止に向けての質問が繰り返され、被告人はしびれを切らしこう述べた。
「反省する姿勢っていうのはどうやったら人に伝わるのだろうと考えています。拘置所でもAさんBさんのことを考えました。死にたくなることもあります。事件のことがフラッシュバックするんです。自分を消してしまいたい。そうしたら許してもらえるのかなと。子どもに恥ずかしくない生き方を見せたいし、奥さんが今、支えてくれて『次はない』と言われています。もし、また同じことをしたら子どもと引き離されてしまう。なので、私はもう警察に捕まるようなことをしないと言い切れます」