野党、定数削減阻止で結束 古典的な審議拒否は「もろ刃の剣」 出口戦略は描き切れず

会談に臨む自民党の鈴木幹事長(奥右)と中道改革連合の階幹事長(同左)=7月2日午前、国会

野党が足並みをそろえて審議拒否を続ける背景には、衆院議員の定数削減法案を撤回に追い込みたい思惑がある。国会では古典的な戦術といえるが、与党が1日の法案採決を見送るなど一定の効果も挙げている。ただ、審議拒否が長引けば国民の目にはサボタージュと映る可能性もあり、野党にとってはもろ刃の剣となる。

正常化へ3条件

野党は国会正常化の条件として、皇室典範改正案を巡る静謐(せいひつ)な環境の整備、予算委員会の集中審議と党首討論の開催、定数削減法案と副首都構想関連法案の撤回の3点を掲げる。条件に優劣は付けていないが、本丸は議員定数削減法案だ。

2日に行われた自民党の鈴木俊一幹事長と中道改革連合の階猛幹事長との会談では、その姿勢が鮮明になった。鈴木氏が皇室典範改正案が議論されている間は議員定数削減法案などの審議を中断すると伝えたのに対し、階氏は「皇室典範が終わった後はどうするのか」とただした。鈴木氏が成立を目指す姿勢を示すと、階氏は「それでは静謐な環境にならない」と反発。会談後に行われた野党5党による国対委員長会談でも、あくまで法案撤回を求めていく方針を確認した。

中小ほど大きな打撃

議員定数削減法案は衆院比例代表を45議席減らす内容で、中小政党ほど打撃が大きい。日頃は足並みの乱れが目立つ野党が結束しているのはこのためで、階氏は「議会制民主主義が危機にひんしている」と訴える。

ただ、議員定数削減は自民と日本維新の会との連立合意に盛り込まれた柱で、高市早苗首相も成立に意欲を見せる。森英介衆院議長は与野党に「互譲の精神」を呼びかけるが、折り合える余地は少ない。

国会空転が続けば野党に対する世論の風当たりが強くなる可能性もある。円安や物価高が国民生活を直撃する状況下で、議員の身分に関わる法案に血道を上げているように映りかねないからだ。政府与党側に会期延長論も浮上する中、野党は出口戦略を描ききれていないのが実情だ。(石鍋圭、深津響)

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