【分析】ウクライナ、米国有数の擁護者グラム上院議員を失う 死去数時間前にもキーウ訪問
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(CNN) 米共和党のリンゼー・グラム上院議員(サウスカロライナ州選出)が11日に死去したことで、ウクライナは米国内で有数の積極的なウクライナ支持者を失った。グラム氏の死去は首都キーウへの訪問から戻ったわずか数時間後のことだった。 【映像】ロシアの爆撃機、滑走路で炎上 ウクライナから12日に数多く寄せられた追悼の中でスビリデンコ首相は「ロシアによる全面侵攻の間を通じて、グラム上院議員はウクライナと連帯し、民主主義の価値を守った」とたたえた。 2022年の侵攻開始以降、グラム氏がウクライナを訪れた回数は先週の訪問を含めて10回に及ぶ。ロシアに対する厳しい制裁法案の共同提案も行った。一方で、トランプ大統領が当初、ウクライナのゼレンスキー大統領に敵意を持っていたことも強く認識していた。 グラム氏がウクライナを支持する背景には、国家安全保障問題に長年携わってきた経験と、米国が世界で広範な役割を果たすべきだという確固たる信念があった。 グラム氏は、大西洋を挟む同盟関係を強く支持。ベルリンの壁が崩壊する前には、ドイツの駐留米軍に4年間従軍した経験も持つ。 11年のインタビューではこう語っていた。「私はロナルド・レーガン流の共和党員だ。世界が崩壊するのを傍観するのではなく、世界の出来事を形作りたい。そのためには関与しなければならない」 ロシアが14年にクリミアを違法に併合した後、グラム氏は、当時ほぼあらゆるものが不足していたウクライナ軍に防御用兵器を送ることを早くから提唱していた。 そして全面侵攻が始まって数日のうちに、プーチン大統領の側近の誰かが同氏を殺害すべきだと示唆し、ロシアの怒りを買った。グラム氏はロシアにブルータスはいないのかと問いかけ、「いれば、自国と世界に大きく貢献することになる」と付け加えた。 後にはプーチン氏を「悪党で弱い者いじめをする人間」と評し、「誰かが止めるまでのさばる」とも非難した。 こうした批判のためか、ロシアの政治家や国営メディアは死後、すぐさまグラム氏を「ロシア嫌い」「主戦論者」と表現した。 グラム氏は、ウクライナの地域に対するロシアのいかなる主権の主張も米国に承認させないようにする法案や、米軍がウクライナ領内でウクライナ軍を訓練する法案も支持した(この法案は実現しなかった)。 防衛装備の移転拡大と安全保障協力を定めた「ウクライナ支援法案」の共同提案者でもあったグラム氏は同法案について、「米国はウクライナと連帯するというメッセージを世界に送るものだ。彼らの戦いはわれわれの戦いであり、彼らの自由とわれわれの自由の両方がかかっている」と語った。 しかし、この法案は成立しなかった。 グラム氏は、トランプ氏が共和党に及ぼす影響を意識していた。昨年にはロシアが掌握した領土の一部を保持することを認め、戦争終結の道を探るにあたり「現実的」でありたいと述べた。 北大西洋条約機構(NATO)加盟国に軍事費支出を拡大するよう迫るトランプ氏の姿勢も支持。「ほかの誰にもそんなことはできなかった」と称賛した。 一方でグラム氏は基本的にNATOを米国の安全保障の柱とみており、同盟の防御態勢によって、侵略者は「戦争を始める前に考え直す」との考えを維持していた。 NATOのルッテ事務総長は12日、「グラム氏は米国の力強い擁護者で、NATO同盟を強く信じていた」と述べている。 グラム氏は過去18カ月、ウクライナに対するトランプ政権の姿勢が揺れ動く中で対応を模索してきた。 25年2月にホワイトハウスで行われ、激しい口論に発展したトランプ氏とゼレンスキー氏の会談後、グラム氏はゼレンスキー氏が辞任すべきだとまで示唆。「ゼレンスキー氏と再び取引できるか、私には分からない」と漏らした。 しかし間もなくしてウクライナのための働きかけを再開し、トランプ氏に巡航ミサイル「トマホーク」をウクライナへ供与するよう促したほか、ロシア産原油を輸入するあらゆる国に制裁を科すことを目的とした強烈な制裁案を策定した。 死去の数日前にもキーウを訪れ、ゼレンスキー氏から温かい歓迎を受けた。ドローン工場を視察し、ウクライナへの支持を改めて訴えた。 キーウを離れる数時間前には、超党派の上院議員グループが政権とロシアに新たな制裁を科すことで合意したと発表した。 グラム氏は「この戦争を終わらせるための方程式はある」と述べた。「ウクライナが破壊力を高められるよう支援する。ロシアを支援している国々には、それを続ければ代償を払うことになると分からせるのだ」 ◇ 本稿はCNNのティム・リスター記者による分析記事です。
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