国民のプライバシー保護は? 高市首相の答弁にモヤモヤ 「国家情報会議」法案、懸念山積みのまま参院へ

2026年4月23日 21時26分
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 政府のインテリジェンス(情報の収集・分析)の司令塔となる「国家情報会議」の創設法案は23日の衆院本会議で、与野党の賛成多数で可決された。近く参院で審議が始まり、今国会で成立する見通しだ。政府の情報活動に伴う国民監視の強化やプライバシーの侵害、政治的中立からの逸脱の恐れが繰り返し指摘されてきたが、野党側が目指した法案修正は実現せず、配慮を求める付帯決議の採択にとどまった。法的拘束力はなく、懸念は残されたままだ。(川田篤志)

◆中道は賛成討論、国会への説明責任を要求

 賛成したのは与党の自民党と日本維新の会、野党の中道改革連合、国民民主党、参政党、チームみらい。共産党などは反対した。

23日、衆院本会議で「国家情報会議」創設法案の採決のため起立する高市早苗首相(佐藤哲紀撮影)

 中道の大島敦氏は採決に先立つ賛成討論で、インテリジェンス機能強化に理解を示しつつ、「国民の自由と権利を不当に侵害するものであってはならない」と強調。国会への説明責任を果たすことを要求した。
 共産の田村智子委員長は本会議後の記者会見で「権限が強化されれば、基本的人権がないがしろにされる」と主張した。
 法案は首相や関係閣僚で構成する「国家情報会議」と、実務を担う「国家情報局」の新設が柱。国家情報局には各省庁の情報を集約する「総合調整権」を付与する。安全保障やテロ防止、スパイ対処に関する情報を質量ともに高め、政策判断に役立てる狙いがある。
  ◇

◆官房長官「政治的中立の確保」案を拒否

 国家情報会議創設法案の審議は参院に移る。政府の権限が強化されるだけに、野党からはさまざまな懸念が示されたが、依然として解消されていない。

 野党が繰り返し求めたのは、政府が情報収集活動を進めるに当たって個人情報やプライバシーを保護することと、政治的中立性を確保することだった。

23日、「国家情報会議」創設法案を可決した衆院本会議(佐藤哲紀撮影)

 中道改革連合は法案を修正して、個人情報保護に配慮することや、政権を利する目的で活動しないことを規定するよう訴えた。しかし、担当閣僚である木原稔官房長官は拒否した。情報機関の職員が「必要な情報(収集)をためらうことがあれば、国益に重大な影響を与えかねない」として、人権より国家を重視する姿勢をにじませた。

◆「市民デモは監視対象か」明確な否定なし

 プライバシー保護を巡り、政府の政策に反対する市民デモを監視対象にするか問われた高市早苗首相は「一般的に想定しがたい」と答えたが、明確に否定しなかった。野党側は調査対象者らの個人情報が不必要に把握されかねないと追及したが、政府側は「関係規定にのっとって適切な運用を行う」と建前論を繰り返すばかりだった。
 政治的中立に関しては、官邸の意向をくんで政権を利する目的の情報収集を行ったり、野党議員の動向を探ったりするという疑念が野党側から示された。

 首相は過去の事例を含めて明確に否定した。ただ、野党側の要求を受けて付帯決議には「特定党派の利益などを図るため、国内の政治家や選挙に関する情報の収集は行わないこと」という異例の文言が盛り込まれた。

◆「国論を二分する政策」なのに

 首相は米国や英国など欧米の主要国が導入している国会監視の仕組みに否定的な考えを示しており、情報活動の「民主的統制」に後ろ向きだ。インテリジェンス機能強化は自身が掲げる「国論を二分する政策」の一つだが、国民の間で広がっている不安を解消しようという姿勢はみられない。
 政府は国家情報会議の創設を「改革の第一歩」と位置付ける。次の段階として、人権侵害の懸念がより大きいスパイ防止法の制定に加え、米中央情報局(CIA)などを念頭に国外で本格的な諜報(ちょうほう)活動を実施する「対外情報庁」と情報要員養成機関の新設に向けた検討に入る。 

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    みんなのコメント4件

  • ユーザー
    イシコロ 4月26日7時27分

    先の選挙で中道に投票してしまった自分を戒めたい。

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  • ユーザー
    とんちゃん 4月24日10時25分

    中道は公明に立憲創設時の理念・魂を売ったのか? ここまで国民を裏切るなら、直ちに解党するか、立憲に復党すべし。
    恥ずかしくないのか?  旧立憲の議員の皆さん!

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  • ユーザー
    北叟の笑い 4月23日22時38分

    せめて野党には、国会議員およびその政治団体の会計を1円までネットに公開することを掲げて「条件闘争」してほしかったです。
    「上を透明にするなら、下への情報収集も認めましょう」
    それすら言えない人たちに失望しました。
    同じ穴のムジナと言われても仕方がない。

    為政者側の動きはブラックボックス。
    市民の側はデモという「ごっこ遊び」に参加してもバッチリ記録。
    その気になれば合法的に何を買ったか、どんな好みか、
    プロファイルをすることができます。
    市民の活動を抑え込むのに、立派な武器を与えました。

    相互監視の促進も非常に重大であることは、
    本紙記事で知りました。

    政治家の公的な資金の使途も透明にならないのに、
    市民は丸裸。
    しかも自ら支払った税金によって。
    なんでやねん! アホやん。

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