界隈曲の頭の上の数字について
はじめに
「クロマグロがとんでくる」で、コーラスの頭の上に謎の数字が出てくることは有名です。最近X(旧Twitter)で、これの意味について質問している人を2人見ました。私はこれに対して、ほぼ同じ返答をしました。
これについてちゃんとまとめられている場所はなかなか見当たりません。これは問題だと思うので、ここにまとめておきたいと思います。
サムネイル画像の出典:
1. 「巨大な玉子がやってきた」- 魔法使いシラガ
2. 「ゆめをくいつくすバクたちは」- うくぐま
3. 「クロマグロがとんでくる」- xx
4. 「すなくじらにさよなら」- nori
5. 「よなかのとうしんせいはいやだ」- MMMM
6. 「運び屋さん(再現)」- いずら17号(original:島(sakamotonorok))
7. 「うれたリンゴはふってこない」- あられみこみ
8. 「ゆくもくるもうたうそばで」- 幻海鷂魚
便利なので、この番号付けはこの記事を通して使っていこうと思います。
一つ目:コードの中での度数
数字の意味として真っ先に考えられるのが、コードの中での度数です。上に挙げた曲の中では、2. 3. 4. 5. 6. 7. がそれにあたります。
普通の三度堆積の和音では、ベースから1度、3度、5度、7度…と積んでいくので、必然的にそれらの数字の出現頻度が高くなります。あと、数字としては同じでも、度数の長短や増減を区別するために、m,M,+,-などの記号がつくこともあります。
…この説明で分かった人って、もともとコード理論をある程度知ってますよね?
とにかく、これを一から説明するのは難しいので、おすすめの音楽理論サイトを貼っておきます。
以上の説明が分かった人向けに、もう少し深入りしたお話を。
よーく見てみると、音程としては(オクターブを無視して)同じでも、書き分けをしているものがあることに気が付きます。
例を挙げるとすれば、2.の「ゆめをくいつくすバクたちは」でしょう。
この曲では、
・2(長2度)と9(長9度)
・m3(短3度)と+9(増9度)
の書き分けがなされています。
前者について、「2」が使われている場面では「3」や「m3」が現れていません。このことから、前者は、3rdを変化させたもの(いわゆるsus2)とテンションの区別と考えられます。
後者について、「+9」が使われているところ(例えば0:18)を見てみると、数字の構成が、1,3,+5,+9となっています。これを、ルートを考慮してコードネームに直すとしたら、「Aaug(♯9)」となるでしょう。これは、いわゆるジミヘンコード「A7(♯9)」の類似と見ることができます。この表記法では、♯9をテンションとみなしています。以上から、後者の書き分けは、3rdとしてのm3とテンションとしての+9の書き分けといえるでしょう。
もっとも、0:18の和音を「A(m3,♭13)omit5」と考えれば、1,3,♭13,m3とも書けます。どっちの書き方をしても、怖~いお兄さんがやってくることは避けられないでしょう。
あと「コードの中での度数」とはいっても、いわゆる「分数コード」の場合はどうするんだ、と思った方もいるかもしれません。
これに関しては、多分、実際に弾かれているベースから見た度数で表記するのが多いと思われます。たとえば、3. の0:24とか、6. の0:21とか。
もっとも、作者が「分数コード」ととらえていたのか、「テンション+省略」ととらえていたのかは不明です。
とかく、コードの表記というのはその人の知識や思想を強く反映するものです。そういう観点でコード表記を見るのも楽しい。
二つ目:五度圏上での位置
ここからは少数派となります。上にあげた曲の中では、1. 「巨大な玉子がやってきた」のみとなります。
突然ですが、一つ画像を貼ります。
これは、1. のMV中で使われている数字と音の対応を表しています。この数字は、背景のコード楽器やコーラスの音に対応しています。( )がついたものは、MV中には現れなかったが、推測で補ったものです。
こうしてみると、A♭の位置に、-4と8という二つがあることに気づきます。
異名同音を考慮して、A♭を-4で、G♯を8で表記したものと考えられます。
実際、0:43あたりのD♭△7では-4が、1:33あたりのG♯dim7では8が使われています。
三つ目:調の主音に対する度数
上にあげた曲の中では、8. 「ゆくもくるもうたうそばで」のみとなります。
そんなに説明は要らないでしょう。2:58まではEを主音として、3:32からはGを主音としていると考えられます。
結論:
あんまり頭の上の数字を信頼しすぎないように!
実際、上にあげた曲の中でも、いくつかの曲で誤植がみられます。耳コピをしている最中に、聞こえてくるものと数字が整合しない場合は、自分の耳を信じたほうがいいです。
逆に自分でMVを作るときには、以上三種類のどれを使ってもいいし、細かい間違いは気にしなくていいぞ。99%の人は気付かないから。
番外編
ここからは番外編、頭の上に数字以外が出ているパターンを紹介していきます。
音名(英語)
音名(英語、オクターブの区別あり)
音名(日本語)
周波数
最後に:
サムネイル作るの大変だった。頭の上に数字が出てるやつ、上の8作品以外に思いついた人は教えてください。
(2026/06/26時点で。)


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