「強迫症」当事者が打ち明けた苦しみ その原因と治療法は? 専門の精神科教授にインタビュー
治療は「薬」「認知行動療法」
―――どう治療するのでしょうか。 薬と認知行動療法の二つの方法があります。 薬では、抗うつ薬の「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」が有効だと認められています。 ただ、強迫症については、薬よりも認知行動療法の方が効果が大きいと言われています。 強迫観念はSSRIだけではおさまりにくく、認知行動療法で「考え方の癖」や「行動パターン」を変えていくことが必要だからです。 ――認知行動療法に、健康保険は使えるのでしょうか。 使えます。 これまで国内では、医師がおこなう認知行動療法にしか保険が適用されませんでした。 認知行動療法は時間がかかるので、医師だけではとても手が回りません。 そこで精神科の学会が厚労省に働きかけるなどして、2026年6月から公認心理師による認知行動療法にも保険が適用されるようになりました。 医師による薬の処方と、公認心理師のカウンセリングを組み合わせて治療できるようになり、大きな前進です。 ただし、保険適用される公認心理師の認知行動療法には条件がありますので、受診先の医療機関に確認してください。 ――強迫症は、家族にも影響があると聞きます。 例えば、汚染の恐怖にとられている患者は、自宅に汚れを持ち込まれることを極度に嫌がります。 このため、同居する家族が帰宅した時に玄関で服を脱ぎ、入浴してからでないとリビングに入らせないようなことがあります。 こうしたことを「巻き込み」と言っていますが、そうなると家族との関係が非常に悪くなってしまいます。 そして、強迫症は心配の延長線上にあるので、どこからが病気なのかがわかりにくい。 このため診療を受けたがらない傾向もあり、発症から受診まで2~3年かかることもあります。 日常生活に支障が出ているような場合は、早めに心療内科などに相談してください。 (メ~テレ 山吉健太郎)