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教育

2026.07.12 15:47

新研究が警告:AIチャットボット依存が招く25%の「学習損失」

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AI(人工知能)の解答ボットに簡単にアクセスできる環境が、学習を台無しにしている。

これは、AIの使用と教育に関する新たな懸念すべき研究結果が導き出した結論の1つだ。この論文は、学生が評価試験でAIを使用することが常態化しており、学習への投資(時間や努力の投入)を減少させ、実際の学習成果を著しく損なっていることを示している。

本研究では、数学の評価試験でAIを使用した学生は、AIが登場して以降、25%という大幅な「学習損失(学力低下)」に直面している。ここでの学習損失とは、以前に出題された問題を再び見たときに、正しく解答する能力が欠如していることを指す。

論文のタイトルは「Faster Completion, Less Learning: Generative AI Reduced Study Time on Math Problems and the Knowledge They Build(完了は早まるが学習は減少:生成AIが数学問題の学習時間とそれによって構築される知識を減少させた)」で、著者はカリフォルニア大学アーバイン校のシーナ・リスマンチアン氏と、大手教育出版社でデジタル学習企業のマグロウヒルに所属する4人の研究者(ハサン・ウズン氏、ジェフリー・マタヨシ氏、エリック・コシン氏、エヤド・クルド=ミスト氏)だ。

研究チームは、毎年400万人以上の学生が利用している「広く導入されている適応型数学学習・評価プラットフォーム」である「ALEKS」における学生の行動を調査した。観察期間は10年以上に及び、簡単にアクセスできるAIボットが登場する前と登場した後の、320万件以上の学生のインタラクション(学習行動データ)を網羅している。

この論文では、「タスクへの取り組み時間(学生が特定の問題に費やす時間)」と呼ばれる指標に焦点を当てている。これについて研究チームは、2つのタイプの数学の問題を調査した。1つはAI解答ボットに簡単に入力できる文章題(応用問題)で、もう1つは図形や画像に基づいているため、手軽なAI解答の影響を受けにくい問題だ。

彼らが発見した事実は、憂慮すべきものだった。

AIが登場する前の何年間かは、タスクへの取り組み時間は安定していた。2つのタイプの数学問題の間で、取り組み時間にほとんど差はなかった。しかし、手軽なAIが登場するやいなや、学生の行動は変化した。ChatGPT(チャットGPT)が2022年11月に公開されて以降、2023年からAIで容易に解ける問題への取り組み時間が減少したのだ。AIの普及以降、AIの影響を受けやすい数学問題に費やす時間は、大学生で27%減少した。高校生では31%の減少、中学生では9%減少している。

この減少は極めて重大である。なぜなら、タスクへの取り組み時間は主要な学習指標だからだ。それは、学生が問題を理解し、思考し、解こうとするためにどれほどの努力を払っているか、つまり、どれだけ思考し、推論し、計算しているかを示している。

努力は重要だ。ジムに通うのと同様で、長く滞在し、熱心にトレーニングするほど、より良い結果が得られる。AIが登場する前は、この「数学という名のジム」で学生が1時間トレーニングしていたとすれば、現在の高校生は45分で切り上げ、中学生は40分でログアウトしている状態だ。

取り組む時間が減った結果、学生は学習できていない。

報告書によると、学生がこれらの数学の問題(AIが簡単に解くことができ、学生が時間を費やさなくなった問題)に正解する確率は、以前より25%低下している。言い換えれば、自分で解く代わりにAIを使用することで、現代の学生はAIが登場する前と比べて、数学の知識が25%減少したことになる。

この能力の喪失について、論文では「これは初期の学習段階における結果(下流の帰結)である。学生はAIの影響を受けやすい問題を完了するためにAIの支援に依存しており、それらの問題が構築するように設計されていたはずの、持続的な理解を深めることができなかったようだ」と説明されている。

つまり、学生たちは答えを得るためにAIという近道を通り、学習しなかったのだ。

カリフォルニア大学アーバイン校のリスマンチアン氏は「学生が学習を回避するためにAIを使っているという事実に目を向けるべきだ。これまでは、この点について決定的な証拠はなかった。スタンフォード大学の調査では、AIの前後で学生自身が申告する不正行為の割合は安定しているとされていたが、今回のデータが示している数字は、これが現実の出来事であることを裏付けている」と語る。

AIが広く普及した後の学術的な不正行為の割合に関するスタンフォード大学のその研究には、いくつかの深刻な問題がある。いずれにせよ、この新たなデータが示しているのは、リスマンチアン氏が言うように「紛れもない現実」であり、おそらく深刻な事態だ。

さらに注目すべきは、10年間にわたる数百万件のデータポイントを対象としたこの新しい研究において、評価試験を試験官が監督すること、つまり試験を実際に厳格に管理し、解答中の学生の行動を監視・モニタリングできるようにすることが、不正行為を防ぐのに有効であると示された点だ。誰かに見られているかもしれないと知っていれば、学生が不正行為を行ったり、AIを使った近道を選んだりする可能性が低くなるのは驚くことではない。

マグロウヒル・チームのウズン氏は「学生は、試験官がいる環境といない環境で全く異なる行動をとる。試験官がいない環境では、(タスクへの取り組み時間の)乖離が見られる。その傾向は、極めて重要な試験(ハイステークス・テスト)においてすら確認された」と述べる。

同じくマグロウヒル・チームのコシン氏は「新たなツールのおかげで、近道をするコストはゼロになったが、その効果(不正行為の減少)は試験監督によって現れる」とした上で、「ただし、試験監督は根本的な解決策ではない。常に監視し続けることは不可能だからだ」と付け加えた。

個人的には、なぜそれが解決策にならないのか疑問だ。問題が存在し(そして今回の新たな報告書は非常に明確で深刻な問題を示している)、それを解決する方法が分かっているのだから、あえて解決しようとしないのは理解しがたい。学生が不正行為を続け、学習をショートカットし、持続的な学習損失に耐え続けるのを放置することは、最善の選択肢とは思えない。

冒頭のトピックに戻ると、試験中にAIを利用した不正行為ツールに簡単にアクセスできる環境は、学習を損なっている。これは本来、明白な事実だったのかもしれない。しかし、もしそうでなかったとしても、今やそれは明らかであるはずだ。

私たちがこの問題に対して何らかの対策を講じる準備ができているかどうかは、まったく別の問題だ。それは、私たちが解決をAIに丸投げしたくない問題の1つかもしれない。

forbes.com 原文

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2026.07.12 07:30

AI時代の「本当に価値ある教育」とは何か

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2年前、私は娘の大学1年目の準備のために、ガイダンスカウンセラーのオフィスに座っていた。アドバイザーは、卒業後の就職を保証してくれる唯一の学位はコンピュータサイエンスだと強調した。しかし、娘の大学生活がようやく半分を過ぎた今、そのアドバイスは真実とは真逆のものになっている。

ルールはリアルタイムで変化している。保護者、大学、そして雇用主はみな、同じ問いに直面している。AI(人工知能)が普及した世界において、意義のある教育とは、一体どのようなものなのだろうか。

この不確実性は、大学進学を諦める理由ではなく、AI経済に参入する学生を送り出すために大学が果たすべき役割を再考する理由である。これを正しく理解している教育機関は、慌ててAI関連の学位プログラムを追加しているところではない。複雑性に対応できるよう、以前から備えていたところだ。

データが示す現実

エントリーレベルのソフトウェア開発や計算業務は、真っ先に消えつつある職種の一つだ。2026年4月だけでも、AIが理由として挙げられた米国の人員削減は2万1000件以上に達した。Anthropic(アンソロピック)のCEOであるダリオ・アモデイは、5年以内にエントリーレベルのホワイトカラー職の最大半分がAIによって淘汰される可能性があると警告している。

この予測の背景にある経済原理は極めてシンプルだ。ノーベル賞受賞者であり、AIの先駆者でもあるジェフリー・ヒントンが述べたように、「AIで利益を上げる最も確実な方法は、労働者をより安価なものに置き換えること」なのだ。世界経済フォーラムは、2030年までに中核的な職業スキルの39%が変化すると予測している。大学がこれに対応するまでに残された時間は少ない。

過去にも同様のことがあった

1950年代、NASAは、職種名が文字通り「コンピューター(計算手)」である数学者のチームを雇用していた。彼らの仕事そのものが「計算すること」だったからだ。映画『ドリーム(原題:Hidden Figures)』で描かれたキャサリン・ジョンソンは、1962年にジョン・グレンが地球周回軌道を飛行した際、その軌道を自力で計算した。しかし、1970年代までには、電子式のコンピューターがその役割を完全に消滅させた。

計算チームを監督していたドロシー・ヴォーンは、独学でプログラミングを学び、チーム全員を訓練した。現在、同様のストーリーが展開されようとしているが、その規模ははるかに多くの職種に及び、スピードも格段に速い。

生き残るスキル

AIは、若手社員の格好の訓練の場となるような、反復的なタスクを得意とする。こうしたタスクの多くでAIが人間を凌駕する世界において、雇用主がますます求めるのは、批判的思考力があり、優れたコミュニケーション能力を持ち、部署の垣根を越えて協働できる人材だ。かつて「ソフトスキル」と呼ばれたこれらの能力は、AIが模倣するのがはるかに困難である。AIを最大限に活用したい企業にはこうした人材が必要であり、さもなければ、現実は紆余曲折に満ちているにもかかわらず、AIが直線道路をただ突き進むだけというリスクに直面することになる。

JPモルガン・チェースのCEOであるジェイミー・ダイモンは率直にこう述べている。「私からのアドバイスは、批判的思考力を身につけ、会議での振る舞い方、コミュニケーションの方法、文章の書き方を学ぶことだ。そうすれば、仕事に困ることはない」。世界経済フォーラムのデータもこれを裏付けており、雇用主が重視する項目として、レジリエンス(適応力)、好奇心、創造的思考が、技術的な資格よりも急速に順位を上げている。

注目すべき3つの大学

2022年以降、AIの学位を提供する教育機関の数は倍近くに増えている。しかし、AI関連のプログラムを追い求めることは、過去の課題を解決しようとしているに過ぎないかもしれない。より深刻な問題は、多くの高等教育の特徴である「タテ割り」の構造だ。世界がその逆を求めている時に、単一分野の専門家を養成するような仕組みになっている。多くの教育機関が適応を模索するなか、優れた教育のあり方について指針を示す既存のモデルが存在する。

ひとつのアプローチは、職場をカリキュラムの一部に組み込むことだ。ノースイースタン大学の学部プログラムは「コープ(協働学習)」を軸としており、学生は大学での講義を受ける学期と、さまざまな企業や業界でフルタイムの有給就業を経験する学期を交互に繰り返す。学生は卒業証書を受け取る前に、複数の環境で実際の仕事を経験することになり、それは職場で進化するAIツールと協働しながら働くことを意味するケースが増えている。ジョセフ・アウン学長が「知識はコモディティ化しつつある。だが、経験はそうではない」と語る通りだ。

実践的で体験的な学びを、大学の構造そのものに直接組み込んでいる学校もある。メイン州バーハーバーにあるカレッジ・オブ・ジ・アトランティック(COA)が提供する専攻は、唯一「人間生態学(ヒューマン・エコロジー)」のみだ。学生は分野を横断し、自らの学習プロセスをゼロから設計する。COAのモデルには、学科ごとのタテ割り構造が最初から存在しない。学生は、生態系調査、地域政策、サステナブルデザインなど、現実社会に直結するプロジェクトに取り組む。その教育は、ただやり方を学ぶのではなく、実践することに重点が置かれている。リン・ボールジャー学長は次のように説明する。「当校のカリキュラムは、学生が複雑な状況を安易に単純化せず、抱え続けることを求めている。COAはそのために作られた」

そもそもタテ割りを生み出す構造自体を解体した大学もある。2002年、アリゾナ州立大学(ASU)のマイケル・クロウ学長は、既存の85の学部を廃止し、「複雑適応システムスクール」や「グローバル・フューチャーズ・カレッジ」など、35の分野横断的なユニットを中心に大学を再構築した。クロウはAIを「偉大なるイコライザー(平準化をもたらすもの)」と呼ぶ。2024年にOpenAI(オープンAI)と提携したASUは、分野横断的に500以上のプロジェクトを立ち上げた。ASUはAIが社会のプレッシャーとなるずっと前に方向転換を遂げており、その卒業生は今、非常に有利な立場に置かれている。

検討に値する道は大学だけではない。長らく過小評価されてきた熟練技能を要する職種は、AIによる破壊に対して最もレジリエンスが高い(耐性がある)分野のひとつだ。電気技師、配管工、大工などは、AIインフラのブームによって急務となった規模で、需要が高まっている。

しかし、大学進学を選択する人々にとって、問うべきなのは「AIの影響を受けない専攻はどれか」ではない。どのような人物を教育によって育てるべきか、ということだ。すなわち、領域を超えて思考し、複雑さに耐え、状況の変化に適応し、テクノロジーに追随するのではなく主体的にリードできる人間である。

著者はかつてカレッジ・オブ・ジ・アトランティックで教鞭を執っていたが、現在は同校との関係はない。

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