子供が生まれないデストピアー世界でたったひとりの子(アレックス・シアラー)
私の趣味の中に読書がありますが、かなり乱読派です。政治哲学や地方自治などの社会系の本をこれまでの仕事や活動から読んでいますが、文学も好きです。世の中で長いこと評価されている本、名作・古典も読みますが、一方で新しい本も読みたい。
その中で、海外物の新作を探す時、「朗読者」(ベルハルト・シュリンク)などを出している新潮クレスト・ブックスから探したり、また、読書仲間の口コミを参考にしています。それぞれジャンルごとに読書仲間がいますが、本好きのうちの母も面白い本を発見してくることがあり、今回の「世界でたったひとりの子」も母から教えてもらいました。
私もこの本で初めてアレックス・シアラーを知ったのですが、児童文学、青少年文学のジャンルで世界的なベストセラー作家であり、求龍堂で出版されている「青空のむこう」、「13ヶ月と13週と13日と満月の夜」、「チョコレート・アンダーグランド」、「スノードーム」4作の日本国内販売部数は、100万部を突破しているということです。
読者層は女子中高生が3割、20代の女性が2割ということで日本の中では圧倒的に若い女性に人気のある作家のようです。ただ、ジャンルを限っているわけでもなく、今回の「世界でたったひとりの子」は近未来小説的であり、内容も非常に示唆的で大人でも十分楽しめる内容といえるでしょう。
物語のはじめに、主人公である子供のタリンと、親とも思われない一緒に暮らすディートとの会話が出てくるのですが、そのディートが
「いつかおまえもでかくなる。そんときには、何の価値もなくなる。今の世の中、価値があるのは若さだけだからな。なぜだかわかるか?不足しているからだよ。今は、昔みたいに、人はぽんぽんうまれてこない。」と言います。
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