10歳男の子が流された…有明海に消えた“黄色いゴムボート”「とっさの判断」長年の勘で走った海の男に感謝状
「10歳の男の子が流された」。2026年5月、長崎県雲仙市で起きた海の遭難。日暮れが迫る海で、男の子の乗った小さなゴムボートを発見したのは、地元に住む漁業者ら3人の「海の男たち」でした。長年の勘を頼りに、奇跡のようなスピードでゴムボートにたどり着いた、3人の「とっさの判断」とは。 【画像を見る】長年の「勘」で男の子を発見した3人 ■ボートから降り損ね…1人沖へ流された男の子 現場は、雲仙市国見町神代沖でした。5月18日午後4時ごろ、父親と釣りに訪れていた男の子が、ゴムボートから降り損ねたまま沖へ流されてしまったのです。 父親からの通報を受け、消防はすぐに捜索を開始するとともに「長崎県水難救済会」へ救助を要請します。 ■ちょうどその頃…海辺で受けた1本の電話 ちょうどその頃、漁業を営む海出繁博さんは、仕事を終えて車で帰宅する途中でした。かかってきた電話をとるため、海沿いの道脇に車を止めた海出さん。それは、漁協からの「救助要請」でした。 ふと目の前の海を見た海出さんの視線の先に、遥か沖合に、ポツンと流されている小さな黄色いゴムボートの姿が映り込んだのです。 ■知り合いの2人にも…10分後に港へ集結した「3人」 一方その頃、海出さんの知人であり、同じく近くの海を知り尽くした森瀬清さん、北浦和仁さんのもとにも、知人を通じて遭難の知らせが届いていました。 2人はすぐに連絡を取り合い、なんとわずか10分後には多比良港へ集結。そこには、すでに船を出す準備を進めていた海出さんの姿がありました。3人は迷うことなく一緒に船に乗り込み、決死の捜索へと船を走らせました。 ■風と潮の流れを読み、船を走らせる 「いつも自分たちが通るところやけん、風が吹いとったらどっちさん流れるということも分かるもんですから」 そう話す海出さんたちは、風向きと潮の流れを計算し、「この時間ならどこまで流されているか」を長年の経験から割り出しました。潮の干満差が大きく、流れも速い有明海。日没も迫っています。