<主張>衆院で可決 改正典範成立へ前進した

社説

衆院本会議で皇室典範などの改正案が可決され、拍手する高市首相(右)ら

皇室典範改正案が衆院本会議で可決され、参院に送付された。成立へ前進したことを歓迎する。日本の皇統を護(まも)るもので、参院は今国会の会期内に成立させてもらいたい。

皇族との養子縁組による旧宮家の男系男子の皇籍復帰と、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する制度を整える。皇族数確保と同時に、養子策が安定的な皇位継承に資する内容だ。

典範改正案は、今上陛下と秋篠宮皇嗣殿下から、次世代の悠仁親王殿下へと続く皇位継承の流れをゆるがせにしないことを前提としている。

愛子内親王殿下は継承資格をお持ちではないが、その即位を唱える向きが世間の一部にある。これが、秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下から将来の即位を奪う重大事である点が理解されないまま論じられているのはとても危うい話だ。

今上陛下は令和2年11月、国事行為を含む「立皇嗣の礼」を挙行し、秋篠宮皇嗣殿下が次の天皇であると宣明された。上皇陛下の譲位特例法第5条を踏まえている。今上陛下は立皇嗣を皇室の先祖や日本の神々に奉告されている。衆参両院は全会一致で賀詞を奉呈している。

これらの重い意味合いを無視したような、悠仁親王殿下へと続く継承の正統の流れを断ち切る「愛子さま天皇」論は、皇室の歴史と伝統、今上陛下の示したお立場に沿っていない。

典範改正案は養子として皇籍復帰した男性皇族自身は皇位継承資格を持たないとしている。その子息は生まれながらの皇族となり、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」とする典範第1条に基づき継承資格を持つ。もともと男性皇族とは継承資格を持ちつつ天皇を支える存在だ。養子の子息に継承資格があるのは当然で、それなしでは男系男子の皇籍復帰は意義を失ってしまう。

だが立憲民主党の水岡俊一代表らは「だまし討ち」と難じて反対している。表現のどぎつさも含め理解に苦しむ主張だ。中道改革連合は典範改正案に賛成しつつも立法府の総意の枠を超える内容だと疑問を呈した。だが、政府報告書、国会の全体会議での政府の説明からも継承資格を持つことは容易に分かっていた話で、突然出てきたようにみなすのはおかしい。皇統を支える立場へ翻意してほしい。

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