政府は6月30日の経済財政諮問会議で、高市早苗政権で初めてとなる経済財政運営の指針「骨太方針」の原案を示した。骨太方針を受けて、「市場で財政悪化懸念が広がり、為替の円安や長期金利の上昇を招いた」といった報道を目にすることが多い。
オールドメディアや市場関係者らは、「骨太方針のせいで財政が危うくなるとの観測から、長期金利が上がった」とまことしやかに言うが、これは大間違いだ。
それでは実際に何が起きているのかというと、円安によって名目経済成長率が上がり、同時に税収が上がる中での金利上昇というのが正解だ。
足元をみると、2025年度の名目国内総生産(GDP)成長率は前年度比4.1%だ。そして、長期金利の指標となる新発10年債の利回りは2.8~2.9%程度なので、財政的には問題ない。これは「ドーマー条件」と呼ばれるもので、単純化していえば、「稼ぎ」が「金利上昇分」を上回るので、問題ないとなる。
「ひどいインフレ」ほど遠い
名目経済成長率の上昇が予想インフレ率を高めるのは事実だが、長期金利の上昇はそれに伴う程度のものだ。何しろ予想インフレ率を示す、ブレーク・イーブン・インフレ率は今後10年でみて2%程度にすぎず、「ひどいインフレ」にはほど遠い状況だ。