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MPSVプロセスによる組織パフォーマンスの最適化手法

はじめに

日経 ID チームの岡見です。今日は、MPSV プロセスについてご紹介します。この記事は、過去の登壇内容をブラッシュアップしたものです。

MPSV プロセスは、ワークエンゲージメントの向上とハイパフォーマンスな仕事の両立を実現する方法論です。これは、社員として働く従業員のみならず、人材を採用する企業側にとっても有用ですので、ご活用いただければ幸いです。

MPSV プロセスは、MPS(Meaning、Pleasure、Strength)プロセスを拡張した概念です。MPS プロセスは、意義(Meaning)、喜び(Pleasure)、長所(Strength)の 3 つの要素に着目し、キャリアデザインに活かすメソッドとして、Happier―幸福も成功も手にするシークレット・メソッドの中で紹介されています。

まず、MPSV プロセスの基本概念である MPS プロセスを説明します。

MPSプロセスの基本概念

MPS プロセスとは、情熱と長所の双方が調和する仕事(天職)を見つけるメソッドです。多くの人にとって、天職を見つけることは難しい作業だと思います。しかし、意義を感じること、得意なこと、喜びを感じることの 3 つに焦点を当てるだけで、簡単に始めることができます。

天職を見つけるためのMPSプロセス
図1: 天職を見つけるためのMPSプロセス

ベン図を作成する際の注意点としては、現在の仕事に限定しないことです。人は楽しんでいるときにこそ、最高のパフォーマンスを発揮します12ので、現在の仕事に固執せずに考えることが重要です。私の場合はこのようになります。

私の天職を見つけるためのMPSプロセス
図2: 私の天職を見つけるためのMPSプロセス

補集合の領域には、克服したい苦手なことを書くとキャリア開発につながるかもしれません。なぜなら、研修やスキルトランスファーの機会が提供されることがあるからです。

MPSVプロセスの概要

MPSV プロセスは、MPS プロセスに価値(Value)の概念を加え、ハイパフォーマンスな仕事を発見するメソッドです。

MPS プロセスが自己理解を深め、天職を見つけるメソッドであるのに対し、MPSV プロセスは、パフォーマンスの最大化を目指したメソッドと言えます。

企業に所属している場合、その企業が価値と認める仕事でなければ、評価につながりません。そのため、ベン図の網掛け部分に焦点を当て、自身の資本を注ぎ込むことが重要です。好きな仕事であっても、企業が価値を認めない場合は、その仕事に力を入れないようにしましょう。こうすることで、パフォーマンスを最大化することができます。

ハイパフォーマーになるベン図
図3: ハイパフォーマーになるベン図

MPSVプロセスの1on1への適用

多くの企業で 1on1 が行われています。1on1 を通じて上司や同僚との信頼関係の構築や意識合わせを行っていると思います。そのため、1on1 は、MPSV プロセスを実践するのに適した場です。

先ほどの MPS プロセスに価値(Value)の要素を加えてみましょう。その上で、上司と価値を感じる項目について話し合ってみてください。

私の天職を見つけるためのMPSプロセス
図4: 私の天職を見つけるためのMPSプロセス

この対話によって、付箋を正しい位置に貼り直すことにより、好きな仕事の中でどれが価値を持つかが明確になります。特に、網掛けされた領域に焦点を当てることで、パフォーマンスが向上します。

私の天職を見つけるためのMPSVプロセス
図5: 私の天職を見つけるためのMPSVプロセス

さらに、1on1 の場で上司からの提案をすり合わせることで、従業員のキャリアアップやスキルアップにつなげることが可能です。このような提案は、双方向のコミュニケーションを奨励し、従業員と上司の間での理解を深める助けとなります。ただし、提案は、従業員のキャリア目標やスキルセットに適合していることを確認することが重要です。要望が双方向の利益を考慮したものであることを確認し、従業員の成長と組織目標の達成に寄与するよう努めることが重要です。

MPSVプロセスにおける上司からの提案
図6: MPSVプロセスにおける上司からの提案

チームビルディングにおけるMPSVプロセスの活用

MPSV プロセスはチームでも活用できます。チームメンバーがお互いの得意や不得意を把握することで、相互理解が深まります。また、メンバーの苦手なことが明確になるため、お互いにサポートしたり、スキルを共有したりすることで、チームの結束が強まります。

チームで実践するMPSVプロセス
図7: チームで実践するMPSVプロセス

人的資本経営におけるMPSVプロセスの意義

MPSV プロセスによる可視化は、非常に強力であり、価値の高い作業です。なぜなら、ベン図を見れば、従業員のパフォーマンスを最大化する方法が明確になるからです。

たとえば、所属チームで価値ある仕事が見つからない場合はどうすればよいでしょうか。

所属チームで価値を見出せないMPSVプロセスの例
図8: 所属チームで価値を見出せないMPSVプロセスの例

異動によって価値が見出せるのであれば、異動を提案することができます。これにより、従業員は好きな仕事で価値を生み出し、企業は人的資本の価値を最大限に引き出すことができます。34

異動で価値を見出すMPSVプロセスの例
図9: 異動で価値を見出すMPSVプロセスの例

採用活動におけるMPSVプロセスの活用

求職者が楽しんで仕事をする可能性があるかどうかは、次の 3 つの質問で見極めることができます。

  • 「自分は特に、どんなことに意義を感じるのだろう?」
  • 「自分は特に、どんなことに喜びを感じるのだろう?」
  • 「自分は何が得意なのだろう?」

これらの質問に基づいて、MPS プロセスのベン図を作成してみてください。これにより、貢献できるかどうかが明確になりますし、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

採用活動におけるハイパフォーマーの見分け方
図10: 採用活動におけるハイパフォーマーの見分け方

結論: MPSVプロセスの組織への貢献

MPSV プロセスは、従業員が自己の意義や喜び、長所、そして価値を明確にすることで、自己実現とパフォーマンスを最大化する力強い手段です。組織全体で活用されれば、従業員の満足度や生産性が向上し、組織の成果も向上することが期待できます。従業員の個々の価値観や動機を尊重し、その力を最大限に引き出すことで、強力で持続可能な組織文化を築くことも可能です。MPSV プロセスを通じて、自己理解と組織の成長に向けて一歩前進することが期待されます。

MPSVプロセスから始める組織パフォーマンスアップの循環サイクル
図11: MPSVプロセスから始める組織パフォーマンスアップの循環サイクル

MPSV プロセスを採用することで、組織は従業員の個々のニーズや価値を理解し、それを組織の目標達成に結びつけることができます。従業員が自己実現し、楽しみながら働く環境が整えられると、組織全体のパフォーマンスが向上し、持続的な成功がもたらされるでしょう。

  1. ユニコーン企業のひみつ p68

  2. ミハイ・チクセントミハイ: フローについて

  3. 人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~

  4. モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか p188

岡見慧
ENGINEER岡見慧

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