兵庫県の第三者委巡る言説「委員が利害関係者」「違法認定は不当」→専門家「どちらも問題なし」
神戸新聞NEXT 4/19(土) 10:39配信
兵庫県の告発文書問題を調査し、県の対応を公益通報者保護法違反などと指摘した第三者調査委員会について「委員が利害関係者」「『違法』とまで認定するのはガイドラインに反している」などの言説が、交流サイト(SNS)を中心に飛び交っている。しかし、日本弁護士連合会のガイドライン策定に携わった専門家はいずれも否定しており、神戸新聞社の取材では第三者委の調査に問題はなく、二つの言説は「誤り」だった。(特集取材班)
第三者委は昨年5月、県が内部調査で元県民局長を懲戒処分にしたことに「客観性に疑義がある」との批判が寄せられたため、知事が設置を表明。7月に県議会各会派の代表4人と弁護士2人による準備会が設置され、会議で委員を3人とし、県弁護士会に推薦を依頼することなどを決めた。
県弁護士会によると、委員の3人は日弁連のガイドライン「地方公共団体における第三者調査委員会調査等指針」に沿って推薦委員会の審議で選んだという。
「委員が利害関係者」との言説は、告発文書で疑惑の一つに記され、急死したひょうご震災記念21世紀研究機構理事長と、委員の一人が「高校の同窓会の役員でつながっている」ということなどが根拠になっている。確かにガイドラインは、委員について「利害関係を有しない者でなければならない」とし、利害関係として、関係当事者の親族や取引関係、顧問契約などを例示している=表。(※)
県監査委員事務局によると、この委員は業務を受ける前に、同窓会のつながりがあることを県に申告していた。準備会でも説明され、了承されたため委員になったとしている。
日弁連の委員会でガイドライン策定に携わった弁護士で神奈川大法学部の幸田雅治教授は取材にこう答えた。「ガイドラインに記している例示と同程度の利害関係があるかどうかを判断することになる。高校の同窓会でつながっているというのは、例示と同等ではなく、利害関係を有する者には該当しない」
その上で「弁護士会に推薦を依頼しており、十分な客観性、公正性が確保されている。専門性の観点からも全く問題なく、適任者が委員に選任されていると評価できる」とした。
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一方、「違反とまで認定するのはガイドラインに反する」との言説は、ガイドラインにある「第三者委員会の趣旨・目的等を離れて民事上、刑事上の責任の有無または所在を追及すること自体を目的とするものではない」との文言(※※)が根拠となっているとみられる。
元タレント中居正広氏の女性トラブルを発端とするフジテレビの問題で、その第三者委が「法違反」とまで認定しなかったことから、法違反を指摘した兵庫県の第三者委への批判が一部で広がった。SNSや投稿動画の情報を見た人らから、県監査委員事務局に苦情電話が寄せられ、職員は説明に追われているという。
だが、これについても幸田教授は「報告書を読むと、適切な調査と丁寧な事実認定をし、『違法とまでは言わない』『違法』『無効』などと法的評価をしている。それは要綱で委員会の任務とされている『認定、評価』に該当し、『ガイドラインに反する』とは言えない」と言い切る。
ガイドラインの「民事、刑事上の責任追及」について「その意味は、損害賠償請求や刑事告発などをすること。第三者委として、それを目的にしないと書かれているのであって、法的評価をすることは何の問題もない」と説明する。
(以下略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f7a4614887608593d1169fca5b168afb879aea9
※利害関係の件
表がないので、指針から直接コピペ。
第3
2 利害関係を例示すれば,次のとおりである。
(1) 対象事案に関して対象事案の関係当事者から相談,意見照会等を受け,助言し又は自己の認識・見解等を述べたこと。
(2) 対象事案の関係当事者との間に近い親族関係にあること。
(3) 対象事案の関係当事者及び関係当事者が密接に関係する企業等の団体との間に取引関係(軽微なものを除く。)を持っていること。
(4) 第三者調査委員会を設置した地方公共団体との間に顧問契約又はこれに類する継続的契約関係を取り結んでいる場合7。
(5) 第三者調査委員会を設置した地方公共団体において職員(非常勤特別職員を除く。)や議員の職にある場合。
→同窓会の役員つながり程度が問題ないのは明らかでしょう。
※※ガイドラインの件
「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」より
第三者委員会は関係者の法的責任追及を直接の目的にする委員会ではない。関係者の法的責任追及を目的とする委員会とは別組織とすべき場合が多いであろう。
「地方公共団体における第三者調査委員会調査等指針」より
第三者調査委員会による調査は,適法かつ適正な行政の執行を確保するために行われるものであり,第三者調査委員会の趣旨・目的等を離れて民事上,刑事上の責任の有無又は所在を追及すること自体を目的とするものではない。
微妙な違いのようで、実ははっきり違いますね。
<兵庫県は企業ではないので、日弁連のガイドラインの企業指針ではなく、『地方公共団体における指針』に従います。その指針では、趣旨・目的の範囲内であれば、行為の違法を指摘することを制限していません。>という某所の書き込みがありましたが、こういうことか。