「全東信」担当者から6月上旬に手数料値上げの電話、「仕方ない」と受け入れていたら…10年以上契約していた飲食店憤り
クレジットカード決済代行の「全東信」(大阪市)が破産手続きの開始決定を受けたことで、奈良県内事業者にも影響が出ている。全東信の事業は、客が利用した売上金を、立て替えによってカード会社から支払われるより早く入金する仕組みのため、売上金の入金について見通せない状況。契約していた飲食店からは憤りや諦めの声が聞かれた。 ▶「全東信なら審査に通る」歓楽街に広がったカード決済網
五條市のフランス料理店は、売り上げの約3割がキャッシュレス決済で、半月ごとに入金される契約をしていた。6月15日までの売り上げの入金は確認できたが、それ以降はなく、オーナーシェフは「うちのような小規模事業者は、文句を言っても売上金は返ってこないでしょう」と諦めた口調で話した。
「カード自体の信用に関わる」。近鉄奈良駅近くの飲食店で会計を担当する女性は憤る。10年以上、全東信と契約。6月上旬には全東信の担当者から手数料値上げの電話があったが、「物価高の影響もあり、仕方ない」と受け入れていた。
入金確認は6月末まで。「ボーナスの時期だったこともあり、7月は高額な支払いもあった」といい、女性は、「代金はカード会社が受け取っているんだから、カード会社も対応してほしい」と求めた。
全東信は多くの地方銀行などから融資を受け、南都銀行(奈良市)もその一つ。10日の発表では、9日時点の貸出金は約5億円。担保されていない約3億円は引き当て処理をする予定で、2027年3月期決算の業績予測に変更はない。
経済産業省によると、県内では、日本政策金融公庫奈良支店や商工中金奈良支店、県信用保証協会が特別相談窓口を設置している。