政界に大きな影響力をもつ麻生太郎副総裁
政界に大きな影響力をもつ麻生太郎副総裁

「蔵内帝国」への麻生氏の逆襲か?

 自民党福岡県連では、現在、県連会長を県議が務めている。現職の国会議員は顧問や相談役という肩書で、麻生氏は最高顧問、閣僚経験者の武田氏は特別顧問、宮内氏は常任顧問だ。

 福岡県選出の国会議員B氏はこう話す。

「自民の地方組織は、国会議員が会長、幹事長が県議という並びになっているのが一般的。福岡県連のように県議がトップに立ち、国会議員は執行部に入らないという組織はあまりない。吉松氏、江藤氏の内部告発の背景には、麻生氏が長年、福岡県議会が『蔵内帝国』となっていて手を出せなかったことへの逆襲の思いがあったのではないか。表面的には麻生氏と蔵内氏は親しいと見る向きもあるが、地元でそう信じる人はほとんどいない」

 麻生氏と蔵内氏、2人の「ドン」の対立は15年前、11年の福岡県知事選にさかのぼる。

 この知事選に蔵内氏が出馬の意向を示し、福岡県連も当初、推薦を内定した。当時の自民の大物、古賀誠元幹事長も蔵内氏支持を打ち出した。しかし、麻生氏は経産省出身の官僚、小川洋氏の擁立を主張。最終的に県連は保守分裂選挙を避けるため蔵内氏の内定を撤回し、蔵内氏は出馬を断念。小川氏が知事選で当選し、麻生氏はここでもキングメーカーとなった。

 B氏が内幕を話す。

「当時の県連会長は国会議員の武田氏。県議会を牛耳る蔵内氏に武田氏が乗っかって県連会長になったという構図で、県連は早々に蔵内氏に推薦の内定を出した。しかし麻生氏が小川氏を推してきた。知事選告示の2カ月ほど前、麻生氏と蔵内氏が県連で1時間ほど、サシで話し合った。最終的に麻生氏がひっくり返して、県連は蔵内氏の推薦をとりやめ、蔵内氏は出馬断念に追い込まれた。この話は地元では有名で、もちろん、麻生氏と蔵内氏の間には大きな遺恨ができた。この2人が近いという一部の報道があったが、まったくおかしなこと。武田氏と近い蔵内氏が、麻生氏と仲がいいわけがない。ある意味、蔵内氏が武田氏の代理として、麻生氏と戦っているようにもみえる」

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