臓器有償あっせん、紹介状作成の院長に謝礼…英語で「患者は腎臓移植に適応」「手配をお願いします」
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カンボジアでの臓器移植をあっせんして対価を得たとして、一般社団法人「国際医療相談室」の男3人が臓器移植法違反(有償あっせん)容疑で逮捕された事件で、相談室の依頼を受けた大阪市内の医院の男性院長が執刀医への紹介状(診療情報提供書)を作成し、相談室側から謝礼を受け取っていたことがわかった。警視庁は院長についても同容疑を視野に任意で調べている。
相談室の実質的運営者とされる菊池
捜査関係者によると、男性は昨年11月、相談室の紹介で大阪市内の医院を受診し、血液検査を受けた。院長は執刀医への紹介状を作成して相談室に送り、謝礼を受け取っていたという。紹介状は相談室から中国人コーディネーターを通じて執刀医側に渡っていた。
同庁が押収した紹介状では患者の氏名や住所、血液検査の結果などとともに、英語で「患者は腎臓移植に適応している」と報告し、「あなたの病院で移植を受けたいので手配をお願いします」と依頼していた。
一方、同庁は相談室を通じてカンボジアで腎移植手術を受けた患者が昨年3月~今年1月、少なくとも5人いたことを確認した。いずれも帰国後、相談室に紹介された病院を訪れたが、診察を拒否されたり、継続的な通院を断られたりして別の病院を探すことになっていた。一時的に体調が悪化した人もいたという。
同庁は9日、相談室の菊池容疑者ら男3人を同法違反容疑で東京地検に送検するとともに、法人としての国際医療相談室を同容疑で書類送検した。
厚労省、あっせん「報道で把握」
厚生労働省は、摘発された一般社団法人「国際医療相談室」について、報道を通じて把握したという。調査権限が及ぶのは国の許可を得たあっせん団体だけで、厚労省幹部の一人は「違法性が疑われる海外での移植の情報をつかむのは難しい」と吐露した。
菊池仁達容疑者が理事長を務めたNPO法人「難病患者支援の会」(解散)による臓器の無許可あっせん事件に伴い、同省が2023年に行った実態調査では、海外での移植後に国内で通院している患者は543人に上った。少なくとも四つの仲介団体が関与していたことも明らかになった。
海外移植は「人身売買につながる」などと国際社会からの批判も強いが、再度の調査を含め、今回の事件を受けた同省の対応は決まっていない。同省移植医療対策推進室は「まずは国内で適切な移植が推進される体制整備を進めたい」としている。