【開幕】特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」国立科学博物館で10月12日まで 豊富な標本とNHKならではの映像に刮目 夏休みのちびっこにぴったりです
特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」が7月11日、国立科学博物館で開幕します。地球環境に動物たちがどのように適応進化してきたのかを、同館所蔵の標本や資料とNHKの自然番組「ダーウィンが来た!」の映像やキャラクターで楽しく展示するものです。まるで動物図鑑の中に入り込んだような展覧会。「ダーウィンが来た!」は放送開始20年の節目です。開幕前日のプレス内覧会を取材しました。
| 特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」 |
|---|
| 会場:国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20) |
| 会期:2026年7月11日(土)~10月12日(月・祝) |
| 開館時間:9時~17時(入場は16時30分まで) ※8月9日(日)~15日(土)は18時まで開館(入場は17時30分まで) |
| 休館日:7月13日(月)、9月7日(月)、14日(月)、24日(木)、28日(月) |
| 入場料(当日券):一般・大学生 2,300円、小・中・高校生 600円 ※土日祝日および8/10~14については、日時指定予約を実施 ※未就学児、障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料 ※学生証、各種証明書をお持ちの方は、ご入場の際にご提示ください。 |
| アクセス:JR上野駅(公園口)から徒歩5分 |
| 詳細は、特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」公式サイトまで。 |
プチ情報満載の展覧会
会場に足を踏み入れると、最初からカラー図鑑に迷い込んだような感覚に襲われました。陸海空の大小さまざまな生き物の、科博が所蔵する剥製を惜しみなく展示しています。
こうした科学展では、意外なプチ情報が楽しみです。例えば、夜に鳥類の目が利かなくなる「鳥目」は、白色レグホン(ニワトリ)で知られていますが、実際のところ多くの鳥類は夜もしっかり見えているそうです。フクロウは人や他の動物の100倍以上の暗闇視力をもつようです。北海道にいるオジロワシの視力は人間の6~8倍だそうです。「鷹の目」とはよく言ったものですね。
動物の捕食に関する展示も面白いことを教えてくれました。積極的にえさを取りに行く生き物ばかりでなく、海底のヒラメや地上でじっと動かないハシビロコウなど待ち伏せ型がいます。狩りのためにエネルギーを使わずに済ませるわけです。ハシビロコウの場合、水辺でハイギョやナマズなどの魚が水面に上がって来るのを何時間も動かず待ち続けて捕獲しますが、成功率は40~60%と言われています。かなりの高打率です。
動物には味覚があるのでしょうか。展示が面白い知識を与えてくれました。爬虫類はあまり味覚が発達していないそうで、特にヘビは丸呑み専門なので味覚が弱いそうです。パンダも竹だけを食べるように適応しているので、うま味(肉類のアミノ酸)を感じる遺伝子は失いましたが、竹やタケノコの甘みを感じる味覚はあると言われているそうです。
パンダに代表される偏食家の動物はほかにもいます。偏食も進化の一つなんだそうです。特定のものだけを食べればライバルと戦わなくても済みます。他の生き物が食べない毒性の強いものや消化の悪いものを食べれば独り占めができます。ハチクマはスズメバチやアシナガバチの巣を襲って幼虫やサナギを食べます。頭をうろこ状に密集した羽毛で覆われて毒針を通さないそうです。おなじみのコアラが食べるユーカリも猛毒の植物。解毒しながら、しかも消化が悪いので約2㍍の盲腸を持っていて、栄養価も低いのでエネルギー消費を抑えるために1日20時間寝ています。レッサーパンダも竹専門。ソウギョは植物食性で水草やヨシを咽頭歯ですりつぶして食べているそうです。カチホヘビは夜行性でミミズを主食としているそうです。
大物と小物の比較はどうでしょう。大型鳥類と言えばダチョウ。天敵の少ないサバンナでは飛ぶよりも走る方がエネルギー効率がいいそうで、走ることに適応しました。身長は2㍍、体重は100㌔を超える個体もあるそうです。
哺乳類ではこんなレプリカ復元骨格標本がありました。アルゼンチンの700万~800万年前の地層から発見された最大のナマケモノ類「ピラミオドンテリウム」です。体長4㍍、体重1.8㌧というから恐竜サイズですね。
小物ではチビトガリネズミ。5㌢ほどの世界最小クラスの哺乳類です。トウキョウトガリネズミという種類の動物もいますが、実は東京にはいないそうです。しかもネズミでなくモグラの仲間なんだそうで。
NHK「ダーウィンが来た!」の威力
本展覧会の特徴が展示の合間に出てくる素晴らしい映像の数々です。20年に渡って撮影を続けてきたスタッフに頭が下がります。
種類横断のテーマ展示が光る
科博が所蔵する標本の豊かさには目を見張ります。テーマに合わせて「これを出そう。あれも出そう」と研究員さんたちが知恵を絞ったことでしょう。最近の展覧会では、哺乳類、魚類、鳥類、爬虫類、昆虫などと種類で分けるのでなく、「五感」「捕食」「生き残り」などの切り口を用意して、種類横断で標本を見せるのがトレンドですね。一つひとつが子供たちを夢中にさせるはずです。
第2会場には「ダーウィンが来た!」の取材がわかる展示もありました。20年もお疲れさまでした。まだ続きますね。期待しています。
ギャラリーショップにはかわいらしいグッズがたくさんありました。お子さん連れの家族が多いでしょうから、値段もお手頃。2000円以下で買える商品が多かった印象です。音声ガイドのナビゲーターは相葉雅紀さんです。(読売新聞美術展ナビ編集班・丸山謙一)
◆プレビュー記事はこちら