【谷繁元信】DeNA松尾汐恩、学ぼうとする謙虚な姿勢 インサイドワークに落ち着き出てきた
<DeNA4-3中日>◇8日◇横浜 DeNA松尾汐恩捕手に試合前、言葉をかけた。山本祐大がソフトバンクへトレードされてから約2カ月、その成長がどうなのか。彼と球場で直接話すのは5月下旬以来で、この日も学ぼうとする謙虚な姿勢があった。 【写真】中日に勝利し、ファンとタッチを交わす松尾汐恩 前回は捕手としての心構え、基本的なことを聞かれ「いろいろな経験をし、多くの引き出しをつくること」「経験したことをメモにすること」「勝敗の責任は監督だから、今は勝ち負けのことは気にしないこと」の3点をアドバイスした。 毎試合、感じたことなどは書いているという。高校時代からノートは付けていたようだが、この小さな作業の積み重ねが、将来的には大きな財産になることを自覚していた。 この日は「ワンバウンドを捕球する際にお尻が上がるクセ」のブロッキングと、捕球してから投手へ返球する際の間の取り方を指摘した。 返球も間が必要なケースと、そうでない場合がある。一拍必要な時や、逆に投手のペースに合わせて返球する場面など、この間というのはすごく重要。投手の性格、また状況によっての使い分けが必要だという指摘をした。 それをこの試合で実践し、返球のリズムを変えていたのがよくわかった。あまり調子が良くなかった先発の東をうまくリードしていた。 配球に関しては、まだ課題はあり、データプラス自ら感じたサインで失敗はあるだろう。しかし、仮に失敗しても反省、検証を繰り返していけばいい。 6回の打席では左中間へ貴重な3号ソロを放った。やはり「打てる捕手」としてのスケールは大きい。自信が出てきたせいか、インサイドワークにも落ち着きが出てきた。チームは5連勝で、松尾の成長は好調の要因のひとつと感じている。試合前にDeNAファンと触れ合うイベントに出て、優勝を諦めていない熱量を感じた。巻き返しへ、期待が持てる戦い方になってきた。(日刊スポーツ評論家)