長引くせき、痰…“気管支拡張症”かも 認知度2割「怠けていると思われつらかった」退職した40代男性の訴え
せきが続く、痰(たん)が絡むという症状が長引く人は「気管支拡張症」かもしれない-。気管支が広がったまま戻らなくなる病気で、国内の患者は10万人以上とされるが、病気の認知度は2割にとどまる。風邪やぜんそくとして見過ごされることもあり、注意が必要だ。(新西ましほ) ■朝起きられず…10代に多い不調、起立性調節障害 「無理すると悪化するから休むしかないのに、周囲から怠けていると思われてつらかった」。昨夏、気管支拡張症と診断された福岡市の男性(44)は、そう振り返った。
男性は風邪をひくたびに、肺の奥から搾り取られるようなせきが続き、夜は眠れないほどに。朝には黄色や茶色の痰が大量に出て、少しの運動で息切れしてしまう。結局、勤め先を辞めざるをえなかった。 日本呼吸器学会によると、国内患者は少なくとも10万人以上。製薬会社インスメッド(東京)が昨冬、男女約千人に行ったアンケートでは、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の認知度は9割以上に上ったが、気管支拡張症は約2割だった。
男性は診断後、薬のおかげで症状のコントロールがうまくいき、現在は大きく体調を崩すことなく別の仕事に就くこともできた。男性は「こういった病気があることへの世間の理解がもっと広まってほしい」と訴える。 呼吸する際に空気が通る「気道」の内側は、「線毛」と呼ばれる微細な毛に覆われ、吸い込んだ細菌やほこりを粘液(痰)ごと捉え、体外へ押し出す働きを備えている。