【高校野球】千葉のエース・加賀谷一、3回2/3を8奪三振無失点の快投 一時降板して「左投げ二塁手」も務めた”変則二刀流” 将来は母と同じ医者を志望
◆第108回全国高校野球選手権千葉大会▽1回戦 我孫子二階堂0―9千葉=7回コールド=(9日・青葉の森) 【トーナメン表】千葉大会 文武両道の左腕、加賀谷一(はじめ)投手擁する千葉が7回コールド発進を飾った。 腹の底から声が出た。同時に球場がどよめいた。初回2死、カウント1ボール2ストライクからの4球目は、球場表示で自己最速タイの142キロを計時。「あまり三振は狙ってなかったけど、応援で力が入って速い球がいった」とうなずいた。 初回を圧巻の3者連続三振で終わらせると、3回まで打者12人に対して毎回の6奪三振の好投。4回からは二塁に回り左投げ二塁手としてゴロもさばいた。5回には一塁を守り、7回1死では次戦への調整も兼ねて再登板を直訴。打者2人を三振に抑え、3回2/3を無安打8奪三振と初戦から快投を見せた。 千葉は偏差値70を超える県内有数の進学校で、一般入試で入学した。進路は国立の医学部を第一志望としており、私立の医大も選択肢に入れている。医大を志したのは医者として働く、母・暁子さんの影響だ。「家事をやりながらも当直で呼ばれたり、弱音を吐かずに毎日淡々とこなしているところがすごい」と憧れを抱いている。 高校入学も家族の影響だった。兄・昊(こう)さんは千葉野球部の先輩。捕手を務め、現在は東大で唯一の硬式野球サークル「丁友会硬式野球部」に所属。弟に「受験勉強、ちゃんとしろよ(笑)」と声をかけていただけでなく、一昨日は弟の球を受けた。手が真っ赤になったそうで、加賀谷は「兄もまだまだだなと思いつつ自分の成長を感じました」と兄弟の仲の良さを口にした。 京葉ボーイズに所属した中学時代は腰のケガなどで思いっきりプレーできなかった。秀才左腕は同じテツを踏まないよう「メンテナンスは結構頑張ってます。寝る前に母がマッサージしてくれたり、小学生の頃所属したチームの監督が理学療法士でそこにマッサージいったりしてます」と最高の環境を味方に変え、入学時131キロだった球速の11キロアップに成功した。 進学校とあって練習時間は1日2、3時間。他の部活動と一緒にグラウンドを使うこともあるそうで決して恵まれた環境とはいえないが「勉強することを考えるといいのかもしれない」と、どこまでも前向きだ。大学入学の共通テストのスコアは、英語が182点、国語184点と200点満点で高得点をマークしてるが「とにかく今は野球一本です」と力強い。 2回戦はシード校の市松戸と対戦する。次戦に向けては「今までは自分勝手なピッチングで負けることが多かったが、今年の夏はチームで野球がしたい」。まずはこの夏を完全燃焼することに視線を合わせ、その先にある夢へと突き進む。
報知新聞社