ロシアの製油所被害 経営にも響く大問題に発展 #エキスパートトピ
ウクライナが、長距離ドローンによるロシアの製油所、石油関連施設への攻撃を強化しており、大きな戦果を挙げていることは、周知のとおりである。
最も注目されているのが、ロシア各地でガソリン不足が蔓延していることであろう。
ただ、それについてはすでに多くの報道があるので、今回は少し別角度から情報を補足してみたい。
ココがポイント
ウクライナ軍参謀本部は6日、(中略)オムスク製油所をドローン(無人機)で攻撃したと明らかにした。
出典:ロイター 2026/7/7(火)
ロシアの83地域のほぼすべてでガソリン不足が生じているか供給の混乱が報告されている。
出典:CNN.co.jp 2026/7/6(月)
エキスパートの補足・見解
今回、私が注目したいのは、ドローン攻撃でロシアの石油会社の経営にも打撃が生じていることである。
ロシアの内部事情に詳しい有識者のアレクサンドラ・プロコペンコ氏によると、昨今のロシアでは、企業がドローン攻撃対策として、自腹で金網、防護設備、修繕費などを負担している。企業側は「国家が始めた戦争なのだから補償してほしい」と要望したが、財務省は「自分で払え」と回答したということである。国家と納税者の信頼関係が崩れ始めたと、プロコペンコ氏は指摘する。
また、最近ロシアの業界でしきりに論じられているのは、「企業がドローン攻撃に備えて防護手段を購入した際に、その費用を税務上の損金として計上することが可能か」という問題だ。こんな不毛なことに頭を悩ませなければならないロシア企業には、同情を禁じ得ない。
ロシアのエネルギー問題に詳しいミハイル・クルチヒン氏は製油所攻撃に関し、「交換に数カ月から数年かかる精製設備、部品を輸入しなければならない装置などが狙われるようになった。一部設備の復旧には2年を要する可能性もあり、打撃は大きい」と指摘する。
実際、昨年から、石油会社への銀行貸付が顕著に増えているという情報がある。