体育の着替え「男女一緒の学校あり」自治体が5割弱 全国に独自調査
小学校の体育授業のとき、男女で着替えるスペースを分けているかどうか――。朝日新聞が調査したところ、男女同室で着替えている学校があると答えた自治体は、全国の主要74市区のうち、半数近くにのぼることが分かった。実態を把握していない自治体は1割超あった。国は指針で学年にかかわらず男女別での着替えを求めるが、低学年を中心に、自治体の対応が追いついていない。
朝日新聞は5~6月、政令指定市、県庁所在地、東京23区の計74市区の教育委員会にアンケートを行い、4月1日時点の現状を尋ねた。
プール授業を含む体育授業の際、「全校・全学年で男女の更衣スペースが分かれている」と回答した市区は41%にとどまった。
あなたが住むまちの学校では、分かれていますか? 記事の最後では、全国の74市区の調査結果がご覧になれます。
「小1~2では分かれていない学校がある」との回答は34%、「(小1~2だけでなく)小3以降も分かれていない学校がある」は14%あった。「指導も把握もしていない」自治体が12%だった。
分かれていない理由としては、空き教室不足や更衣室へ移動する時間不足、着替えを見守る教員不足などが挙がった。
一方、全校で分けている自治体は、更衣室だけでなく、空き教室を使ったり、教室内に仕切りやカーテンを設置したりして対応していた。こうした設置に独自の予算措置をしている市区は、全調査自治体のうち45%だった。
国は分けるよう求めるけれど
文部科学省の小学校施設整備指針では、男女で着替えのスペースを分けるよう求めているが、「現状は把握していない」と担当者。また、子どもが性暴力の被害者や加害者にならないよう、文科省は2023年度に全国で「生命(いのち)の安全教育」をスタート。幼児や小学生向けに、水着で隠れる「プライベートゾーン」を他人が見たり、触ったりしないよう指導する。
性教育に詳しい元小学校長の北山ひと美さんは「場所や時間の問題は、時間割を見直すなど、工夫できるはずだ」と指摘。「子どもは、小学校低学年ごろにかけて『自分の体は自分のもので他の人から見られるのは嫌だ』という感覚が芽生えてくる。見られるのを当たり前にしないことは、性被害や性加害を防ぐことにもつながる」と話す。
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<おことわり>当初配信した記事で、徳島市は、「全校・全学年で男女の更衣スペースが分かれている」と回答した自治体に含めていましたが、配信後、「分けるよう指導しているが、小学1~2年では分かれていない学校がある」とアンケートの回答を修正しました。これに伴い、記事中の各箇所の数値を修正しました。
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- 井本直歩子元競泳五輪代表・途上国教育専門家視点いまなら試し読み
性的マイノリティのうち、性的違和感を自覚し始めた時期を年代別に調査した際、その半数以上が小学校入学以前だったというデータがあります。男女で分ける二元論の議論と同時に、子どものプライバシーを守り、誰でも安心して着替えられる環境が、現場の配慮や柔軟性により確保されることが何よりも重要だと思います。そうはいっても、オペレーションの課題は多いのでしょう。低学年であっても、身体の特徴の違いや性的違和について、冷やかしたりいじめなどがあってはならないという日常の指導がまず前提として必要だとこの記事を感じました。
2026年7月7日 12:06 - 杉田菜穂俳人・大阪公立大学教授=社会政策視点
自分を守り、他人を大切にする意識を周囲の人たちの接し方から学んでいる。大人もそうではないだろうか。学校における着替えの時間だけでなく、<対等な関係で接し、意思を尊重する>ような関係性について学んだり、気づきを得られるような機会を社会全体として大切にできるかどうかが問われている。
2026年7月7日 09:00