高市早苗首相の「抜き打ち解散」と衆院選大勝を経て2月に開会した今国会は、「数の力」に任せた与党の強引な対応が目立ち、異例ずくめの展開が続いている。与野党の対立は極まり、7月に入ると国会審議が全面ストップする事態に陥った。首相の国会軽視の姿勢が「国権の最高機関」の空転を招いたと言える。
年初から異例だった。1月の通常国会初日の衆院解散により、当初予算案の審議は例年より約1カ月遅れで始まった。多くの与野党議員は3月末までの成立は困難とみていたが、首相は年度内成立を主張した。
衆院で3分の2超の議席を得た自民党は首相の意をくみ、野党側の抗議を聞き入れず、一方的に審議時間を圧縮。坂本哲志・衆院予算委員長(自民)が職権による議事進行を重ね、3月中旬に衆院を通過させた。審議時間は59時間で、過去20年で最短。この間の平均は78.9時間だった。
野党に予算委員長を握られていた昨年の国会では、全閣僚の審議への「張り付け」を見直し、質問通告がある閣僚のみの出席にとどめる改革が進んだ。これに首相は「大臣がいくら手を挙げても私にばっかり(答弁が)当たる」と不満を漏らしてきた。
今国会では答弁機会がなくとも全閣僚が張り付いて出席する運用に戻った。閣僚たちが首相の代わりに答弁する場面が目立った。
国会改革からの後退
ただし、与党は参院で過半数…
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不合理な慣行が多い日本の国会ではあるが、これも日本に根付いた民主主義の形である。審議の進め方や首相の役割もその一つである。 その首相に自ら望んでなったのだから、その役割を果たさなければ、「民主主義の破壊」と言われてしまうのは仕方がない。 もちろん日本の国会の慣例は独特である。しかし「他国はこんなことはやっていない」というならば、その国の他の慣行や制度(たとえばイギリス議会の官僚と議員の接触制限)などもセットで主張しないとご都合主義の誹りを免れない。不合理な慣行に不満があって変えたいのだとしても、そうしないと説得力に欠ける。 「慣例を守るのが真の保守だ」といった筋論は空しい。しかし「不合理な民主主義」は、「(一見)合理的な独裁」に優るというのが、人類の知恵の一つである。どんな優れた人間も、間違うことはあるのだから。
2026年7月6日 14:08 - 江川紹子ジャーナリスト・神奈川大学特任教授視点
なんのために国会議員になったのか。日本の政治は、国会はどうあるべきか――あらゆる国会議員(とりわけ与党議員)は、自らに問い直し、そのうえで行動してもらいたい。 自分の権力欲を満たすために議員になった人もいるだろうが、そういう人ばかりでは
2026年7月6日 19:23