週刊文春が高市事務所に関する疑惑(サナエトークン、選挙での中傷動画)をずっと報じてきた。しかし、内情を知る私からすれば、文春は双方の疑惑に関与した松井健氏の証言のうち都合の良い部分だけを切り取って、意図的に高市事務所の木下剛志所長をおとしめて高市早苗首相に打撃を加えようとしていたとしか思えない。はっきり言えば、疑惑のねつ造の連続であった。
しかし、それと同じくらいに驚きだったのは、中道改革連合の数名の議員が国会質疑で、週刊文春を振りかざして記事の疑惑に関して高市首相を延々と問い詰め続けたことだ。なぜそれが驚きであったか。既視感を免れなかったからである。
加計問題の際の立憲民主党の追及
というのは、実は中道改革を構成する旧立憲民主党の議員は、かつて加計問題の頃に全く同じことをやっていたからである。
2019年に森ゆうこ参院議員が、加計問題の舞台だった国家戦略特区に関わっていた原英史氏(政策工房社長)が事業者に便宜を図ったという毎日新聞の虚偽報道に基づき、国会質疑で原氏への誹謗(ひぼう)中傷と政府追及を繰り返した。
これに対し、原氏は森議員と毎日新聞に対する民事訴訟を起こした。森議員の国会での発言は免責特権(憲法第51条)の対象なので、森議員については国会質疑で使用した資料をSNSで拡散したことが訴訟の対象であった。
2024年に、毎日新聞と森議員の原氏に対する名誉毀損が最高裁で確定したが、問題はここからである。
原氏は裁判の期間中、国会での名誉毀損への対応(国会議事録の修正、国会での人権侵害に対する救済手続きの整備など)を求めて何度となく請願などを行ってきたが、国会は何も対応をしなかった。結局、名誉毀損と確定した後も、森議員の発言は国会議事録にそのまま掲載され、ウェブ上でも公開され続けている。
そこで原氏は最高裁での判決が確定した後に、国会で人権侵害を是正する措置が取られないことの違法性を問い、国に対して国家賠償請求を提訴した。すると、地裁から和解勧告をしたいとの意向が示されたので、関係者によると、原氏の側からこれまで、
・森議員の質疑について、国会議事録ウェブサイトで注記を加える
・森議員の質疑に注記を加えられないなら、今後に向けたルール整備(苦情申立てがあった場合に注記を加える仕組みを作る)
などの提案を行い、与野党で協議がなされてきたが、国会での活動への萎縮などを理由に一部野党が拒絶を続け、いまだに和解はまとまっていないようである。