ヤクルト・長岡秀樹、不振に陥っても胸には使命感「ファンの人に勝ちを届けないといけない」
【球界ここだけの話】人知れず、打開策を見つけ出そうともがいていた。交流戦終了後、リーグ戦再開までの期間に行われた練習中のことだ。全体練習が終わると、ヤクルト・長岡秀樹内野手(24)は一人、神宮外苑の室内練習場に向かい、約20分間黙々とバットを振った。 交流戦期間中、極度の打撃不振に陥った。6月2日のロッテ戦(神宮)から、同12日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)の2打席目に左前打を放つまで実に29打席連続無安打。その後、2試合も無安打に終わって交流戦を終えていた。 「何とかしてもがいていますけど…。バッティングって『これ』というものが見つかっても、すぐにいなくなるし、何かいきなり見つかるときもある。一生考えないといけないんだなって思う。やっぱり、いい選手って悪い期間が短い。いい期間が長い。それだけの引き出しを持っている。でも、やっぱりこれだけ悪い期間が長いと、その引き出しも、数もないんだなって自分でも思うし、もっともっと技術を上げていかないとプロの世界ではやっていけないんだなと痛感する。これが、今の実力かなって素直に思いますね」 自分に対する評価を、真正面から突き付けられた瞬間もあった。6月3日のロッテ戦(神宮)。六回の守備で、前進すべき遊ゴロの捕球処理を誤り、内野安打としてしまった。七回の守備から途中交代。池山監督は「前進の守備がクエスチョンだった。(脚が)全然動けていなかった」と交代理由を明かしていた。 答えづらい質問だとは思いつつ、この一件について聞いてみた。最初は「僕の中では特に何も思わなかったです」という返答だったが、話すにつれ「やっぱり、『ショートは長岡じゃなきゃいけない』という信頼を取れていない自分に悔しさもあった」と明かした。悔しくないわけがない。2022年にゴールデングラブ賞を受賞し、24年には最多安打のタイトルとベストナインに輝いた男には、正遊撃手としての矜持(きょうじ)がある。 年齢こそ若いが、チームの中心選手の一人であることは間違いない。たとえ不振に陥っても、チームのために、ファンのためにプレーする責務がある。長岡自身も使命感を胸に、グラウンドに立っている。