昨夏王者の豊橋中央、短かった最後の夏 白井投手「全然満足は…」
(4日、第108回全国高校野球選手権愛知大会1回戦 名古屋3―1豊橋中央) チームの目標は昨夏果たせなかった「甲子園での1勝」だった。 【写真】豊橋中央―名古屋 二回、名古屋・鴫原の適時打の後の敵失で生還し、仲間と喜び合う座馬(右)=2026年7月4日、熱田愛知時計、堀内未希撮影 2点を追う六回、豊橋中央の白井寛人投手(3年)はマウンドに上がった。「満足してこいよ」。直前に、萩本将光監督にそう言われた。「絶対抑えてチームを勝たせる」。気合十分だった。 初球で安打を許すも、その後は一塁を踏ませなかった。3回で計7奪三振の好投を見せた。だが、打撃では得点圏に走者を出せず、2点差で涙をのんだ。「これで自分の2年半が終わったのか」。信じられなかった。 「満足」は萩本監督との合言葉だ。三振や3アウトを取るなど、満足のいく投球ができたとき、いつも笑顔でガッツポーズをする。野球部でも学校でも、笑顔を絶やさない。あだ名は「まんぞくん」。この日も、監督の声かけに「満足してきます」と答えた。 三振を取れる投手になるために、冬からはウェートトレーニングで体重を増やした。奪三振の目標は果たせた。だが、「勝てなかったから、全然満足していない」。試合後、うつむいた。 ベンチメンバーの中で、3年生は3人。若いチームだった。「この2年半、仲間と野球ができた時間は、宝物です」。保護者とチームメートを前にして、それまでこらえていた涙があふれた。最後の夏は「短かった」。 卒業後は、体育の教員を目指して大学に進学するという。甲子園1勝の夢は、後輩に託した。(堀内未希)
朝日新聞社