【高校野球】開幕勝利の尼崎西に“プロの原石”発見 森田実徳捕手が攻守に躍動 中日スカウト評価の強肩
◇第108回全国高校野球選手権 兵庫大会1回戦 尼崎西2―1神戸(2026年7月4日 明石トーカロ) 尼崎西が神戸に競り勝ち、他会場よりも1時間早くプレーボールが掛かった夏の兵庫の“開幕戦”で勝利を飾った。 全国的には無名と言える公立校に“プロの原石”がいた。主将の森田実徳捕手(3年)だ。この日も、攻守にチームをけん引した。 まずは、バットで魅せた。「来た球を打とうと思って、たまたま甘いところに来た」。0―0の2回1死二塁で、右中間へ先制二塁打。「開幕ゲームで、みんなドキドキしていた」チームを、鼓舞する一撃となった。 そして、自慢の強肩も発動した。イニング間の二塁送球から幾度となく、低い弾道のまま野手のグラブに到達する“キャノン”を放って、相手ベンチを威圧。1―1の7回2死一塁では、二盗企図をストライク送球で阻止し、相手の鋭気をくじいてみせた。 「肩にはめっちゃ自信があります」と自賛するように、遠投100メートル、二塁送球到達タイム最速1秒8台。すでにプロでも強肩と言われるレベルにある。持ち味とするスローイングは巨人・甲斐を参考に、1年冬から「ずっと自分とどこが違うかを、研究してきました」。地肩の強さに技を掛け合わせ、“キャノン”へと昇華した。 ネット裏から視察した中日・清水昭信スカウトも思わぬ“原石”発見に驚きの表情だ。ここまでノーマークだったというが、「まず肩がいい。この日も一つ、いいのがありましたしね。体格もありますし、大学で力を付ければ十分、(プロでやれる)可能性があるなと思いながら見ていました。思いのほか良かった」と評価。この日の二塁送球到達タイムも1秒90を計測したという逸材に、「まだもっと良くなると思います」と伸びしろも見いだした。 昨秋の新チーム結成時から指揮を執る西谷佳晃監督は、頼もしき大黒柱の活躍に目を細めた。「打つ方も守る方も、あの子が引っ張ってくれました。チーム内では“プチ監督”と言えるほど信頼しています。野球脳も非常に高くなりました」。そう称えた上で「本人も上のレベル(大学)でやりたいと言っているので、上のレベルでも通用する選手になってほしいですね」と期待した。 現時点では大学進学希望で、準硬式でのプレー継続を予定しているという森田。「(プロについて考えたことは)ない」と断言したが、「(プロから評価されたら)ちょっと揺らぐかも」と笑った。次戦の相手は、昨秋準優勝のシード校・市尼崎。「みんなめちゃくちゃ燃えています。抽選で決まってから“市尼に勝つ”と言って練習してきて、まず1回戦に勝てた。いい形で入れると思います。総力戦で勝てるように頑張りたいです」。大一番でも攻守にチームを引っ張り、勝利に導いてみせる。 ◇森田 実徳(もりた・みのり)2008年(平20)4月9日、兵庫県西宮市出身。高木小3年から野球を始め、瓦木中では「大阪ニューヤング」でプレー。尼崎西では1年夏から背番号20でベンチ入りし、同秋から正捕手。50メートル走6秒3、遠投100メートル。高校通算5本塁打。1メートル79、80キロ。右投げ右打ち。