夏の高校野球愛知大会 中京大中京が快勝…誉もコールド勝ち
東海13―6一宮
夏の甲子園への切符をかけた第108回全国高校野球選手権愛知大会の1、2回戦が7日、県内各地の球場で行われた。今春の選抜大会ベスト4の中京大中京は、半田工科を12―2の六回コールドで下し、初戦を突破した。甲子園出場経験がある誉も丹羽を11―0の五回コールドで下し、3回戦に進出した。8日は2球場で4試合を予定している。 意地の適時打 一宮・中井 東海に19安打を許し、七回コールドで敗れた一宮の中井響大選手(3年)が初回に走者一掃の三塁打を放ち、意地を見せた。 初回に5点を先制され、追いかける展開の中、一回二死満塁のチャンスで打順が回ってきた。「とにかく1点ずつでも」との一心で打席に立った。4球目のカットボールをすくい上げ、右翼の頭上を越える適時三塁打で3打点を挙げた。 大会1か月前からヒットが出なくなった。原因も分からず悩む日々が続いたが、仲間に「自分の思うように打ってこい」と声をかけてもらったり、ティー打撃にいつも誘ってくれた大河内杜馬選手(3年)と助言し合ったりしてきた。復調の手応えがないままこの日を迎えたが、「初回の守備で緊張が解けた」ことが三塁打につながったという。 チームは敗退したが、「最後に大きな舞台で打ててよかった。一緒に戦ってくれた仲間に感謝したい」と晴れやかだった。 日福大付7―0一宮西 唯一の3年生「やり切った」 一宮西(3年)高本健慎選手 「自分が打つしかない」。7点を追う七回二死走者なしの場面で、チーム唯一の3年生に打順が回ってきた。積極的に振ろうと腹を決めて打席に立ったが、バットは空を切り、夏が終わった。 小学4年から始めた野球。肩のケガなどもあったが高校でも当然続けるつもりで、入学後の見学会に参加した。十数人の1年生がおり、新たな環境に期待に胸を膨らませていたが、選手として入部したのは自分だけ。「やめたい気持ちも正直あった」と当時の胸の内を明かす。 喜びや苦労をともにするチームメートが同学年にいないのはつらかったが、続けられるか不安を抱えた時期には1学年上の先輩が励ましてくれた。上級生が引退し、最上級生となってからは馬淵琉維選手(2年)ら後輩や同学年のマネジャーが相談に乗ってくれた。何よりも野球を続ける原動力になったのは「ここで逃げたら逃げるばかりの人生になる」という強い思いだった。 この日は、1学年上で、昨年まで同じ外野手としてプレーした中島康太さん(18)が見守った。中島さんは「格好良かった。一人でよくここまでやってきた」とねぎらう。多田昌弘部長も「昔だったら弱気で振りにいけなかったが、今日は三振でもちゃんと振りにいった」と目を細めた。 この試合は3打数3三振に終わったが、チームとして「普段からやっていたことはやりきった」とすがすがしく話した。(池田浩隆)