[悠寛(虎日)]あの目。
今までのものに閲覧いいねブクマありがとうございます(^人^)
虎君のあの最初と最後の目と日車さんの虎君へ向けた言葉を考えると虎君可哀想って思うけどどうしても日車さん目線で考えてしまう。ほぼほぼ腐要素ないですが弁護士さんから虎君へ激重感情あるので。
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壊れない人形を相手に戦っている気がしていた。
あの瞬間までは。
「あぁ、俺が殺した。これは嘘でも否定でもない」
壊れた繊細な硝子細工を手にした気分だった。
あの目。
あの、燃えるような、高潔な、どこまでも澄んだ瞳が、まるで俺がこの手の中にある硝子細工を壊したことを責め立てているかのように思えた。
呆然として心の中を探る。
確かに証拠には、宿儺という彼の中に住む悪魔が大量殺人を犯したとあった。
しかし、目の前の少年は、自分がやったと断言した。
あまつさえ、自分が弱いから死なせたような趣旨のことを後々当然のこととして語った。
あの、真っ直ぐな目で。
とても直視出来るものではない。
俺はそれほど人が出来ていない。
ジャッジマンが目を閉じているのは、俺自身が司法というものを信頼していないからだ。
食傷気味と思った。
疲れたのだ。
何故、ここまで君たちに寄り添ってきたのにそんな目で見るのかと。
だからあの時もやり直しをした。
限界だったのだ。
俺は人を二人も殺している。
裁判官と検事だ。
あの、有罪ありにの事件で主に汚職をしていたのだ。
その、人を殺した後の最悪の気分を味わっている。
気に入らない奴だろうが何だろうが、案外気持ちがいいだなんで大嘘だ。
少年は、そんな最悪な気分を、少なくとも大量殺人は他者がやったことなのに自身のこととして認めていた。
愕然とした。
自分を全否定された気がした。
少年に力を貸すことにしたのは、せめて少年の役に立ちたかったのと、贖罪のつもりだった。
あまりにも身勝手だ。
それで自分の罪が許される筈は無いのに。
少年、虎杖悠仁には仲間になってくれと言われたが、到底無理だ。
荷が重い。
虎杖少年のあの目を見続けることは、常に自分の罪と向き合うことだ。
それは一人で向き合うことよりもずっと辛い。
責め立てられながら向き合うことは、俺には到底出来ない領域だ。
だが、虎杖少年はそれらを今まで全て一人で背負って来たのだろう。
だからそんな目をしているのだろう。
いっそ静かとも言える激情を抱えて。
またなと言ったが、二度と会いたく無いという思いが先ずよぎった。
あんな綺麗なものは知らない。
己が穢してしまうのは怖かった。
だからさよならだ、虎杖悠仁。
達者でいてくれ。
君があの高潔な目のままに生き続けることだけが、俺に唯一残された希望に思えるから。