《皇室典範改正問題》それまでの女性皇族とは違う“愛子さまへの教育”、天皇ご一家は皇族に残ることを前提に対応 「日本赤十字就職」に込められた公務で両親を支えるという決意
皇室典範改正をめぐる議論が大詰めを迎えるなか、中曽根弘文・自民党憲法改正実現本部長による「愛子さまの皇位継承はあり得ない」「天皇になれば結婚できなくなる」との発言が波紋を広げている。国会で議論が進むなかで蠢く「なんとしても愛子天皇を実現させたくない」とする勢力が今回の改正案に仕込んだ"罠"とは――。【前後編の前編】 【写真】ピンクのボレロに淡いラベンダー色のワンピース姿 ウィーン少年合唱団の公演を鑑賞された愛子さま
「焦りが失言に繋がったと考えられます」
批判を浴びた中曽根氏は釈明に追われた。 「(現行の皇室典範では愛子さまの天皇即位は)可能性はないということで申し上げた。言葉が悪かった」 ただ、もともとの「あり得ない」発言の背景には、天皇は男系で継承していくべきだと考える「男系派」による"愛子さまを天皇にすれば女系天皇への道を拓きかねない。愛子天皇を阻止すべき"という強い意思さえ感じられる。 天皇制の歴史を研究してきた神道学者で皇室研究者の高森明勅氏が言う。 「中曽根氏が講演でこういう発言をしなければならなかったのは、ある種追い詰められた感覚を持っていることを示している。いわゆる男系派は、皇室典範改正の議論が進めば国民の間に強くある愛子天皇待望論が沈静化して国民も諦めるのではないか、あるいは関心が薄れるのではないかと考えていたが、予想とは逆に待望論が盛り上がっているので危機感があったのでしょう。その焦りが失言に繋がったと考えられます」 現行の皇室典範では、女性皇族は結婚で皇族の身分を離れる(皇籍離脱)と定めている。だが、国会に提出された皇室典範改正案には、女性皇族が結婚後も皇族に残る、変則的な"女性宮家"創設と、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える「養子制度」の2つの大きな制度変更が盛り込まれた。国会で成立すれば愛子さまは結婚後も皇籍離脱せずに「敬宮愛子内親王」として皇族のまま公務を担う可能性が高い。 振り返ると、皇太子の長子として生まれた愛子さまは常に皇室制度をめぐる議論の渦中に置かれてきた。 愛子さまが3歳の時、当時の小泉内閣の「皇室典範に関する有識者会議」が女性・女系天皇を容認する報告書をまとめたが、折しも悠仁さまの誕生で法制化は見送られた。だが、2012年10月には時の野田内閣が「皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理」のなかで、「女性皇族が、今後婚姻を機に、順次皇籍を離脱することにより皇族数が減少し、皇室の御活動を維持することが困難になる事態が生じることが懸念される」として「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することを可能とする案」が提示された。愛子さまが10歳の頃だ。 それから現在まで女性宮家創設の議論が続いてきた。愛子さまは結婚後に皇籍離脱することになるのか、それとも皇族として残ることになるのか、制度改正の議論が揺れ動くなかで育ってきた。
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