県岐阜商、昨夏4強の4番打者が米カリフォルニア州の大学へ 後輩たちと今でも固い絆「普通にやれれば」この夏も再びの快進撃を確信
◇尾関雄一朗コラム「アマチュア野球取材ノート」 昨夏の全国高校野球選手権大会で4強に進み、甲子園を沸かせた県岐阜商。当時の3年生で、4番を打った坂口路歩(ろあ)さんを訪ねた。 坂口さんといえば、準々決勝・横浜戦のサヨナラ適時打だ。延長11回、奥村頼人(現ロッテ)のストレートを左前に弾き返した。あの打席、どんなことを考えていたのか。 「奥村君がストレート中心で攻めてきていたので、ヤマを張っていました。実は打ってから一塁へ走っているとき、『本当にサヨナラだっけ?』と急に不安になったんです。サヨナラのつもりでオーバーランして、自分の勘違いでタッチアウトになったらどうしよう、って」 試合前半では、当時2年生の速球派右腕・織田翔希に対し、2打席凡退している。「びっくりするぐらい球が速かったです。体がでかくて、球に角度がある。今まで対戦したピッチャーの中で一番です」と今秋のドラフト上位候補を評する。 母校の後輩たちとの絆は、今も固い。エース・柴田蒼亮らを誘い、近くのサウナ施設などへたびたびリフレッシュに出かけているそうだ。 「めっちゃ慕ってくれて、かわいい後輩です。紅白戦で柴田相手に見逃し三振したことがあり、そのときの僕の様子を何度もまねされます(笑)。柴田はランナーを出しても崩れないからすごい」 今年5月には春季東海大会を現地で観戦した。優勝した後輩たちの戦いぶりに、この夏も再びの快進撃を確信した。 「普通にやれれば、今年も甲子園で勝ち進む力はあると思います。昨年から試合に出ている3年生が安定しているし、2年生のバッティングもいい。期待されて大変だと思いますが、気負わずに頑張ってほしいです」 坂口さん自身は米カリフォルニア州のリバーサイド・シティー・カレッジへの留学が決まり、準備を進めている。いずれは父・輝光さんの会社を継ぐことを目標に、経営学や野球で学びを広げるつもりだ。将来への新たな一歩を踏み出しつつ、母校にエールを送る夏になる。 ▼尾関雄一朗 1984年生まれ、岐阜県出身の野球ライター。東海地区を中心にアマチュア野球(高校/大学/社会人)を取材し、野球雑誌やウェブサイト、書籍などで記事を発表している。取材歴は20年近くに及び、プロ球団スカウトとも親交が深い。
中日スポーツ