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欧州

2026.07.02 07:00

ロシア、ドローン操縦士に女子大生を勧誘 「安全」うたうも実は危険

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ロシアメディアも、ロシア国防省が大学側に採用ノルマを課したり、入隊募集活動への協力を指示したりしていると伝えており、こうした採用キャンペーンが中央の調整で実施されていることがうかがえる。

米シンクタンクのジェームズタウン財団が今年2月に公表した報告書によると、ロシア国内の大学32校にドローン操縦士の養成課程が設けられており、長期的な人材供給源も整備されつつある。

ロシアはドローン戦力のアイデンティティー構築にも腐心している。ウクライナの戦況分析グループ「Ukraine Control Map」によると、ロシア無人システム軍の新たに編成された部隊の多くは部隊章などに白黒の統一的なデザインを採用しており、各部隊は訓練や戦力生成の拠点としての役割も担っている可能性がある。ただ、組織構造の実態は依然として不明だ。

ロシア側の論評でも、ロシア軍の志願兵部隊「サルマート」に所属する「夜の魔女たち2.0」のように、女性だけで構成されるドローン部隊が取り上げられており、そこではロシアの拡大するドローン戦力の一翼を女性が担っているという点が強調されている。

「無人システム軍の創設はロシア軍による適応の取り組みのひとつです。その方法は、最新技術を中心にして構築し、自国で最も優秀で意欲的な人材を配した、新たなハイテク部隊を編成するというものです」とベンデットは解説する。

兵役関連分野を専門とするロシアの弁護士セルゲイ・マモントフは、ロシア軍のドローン軍務に関する契約は多くの新兵が考えているほどの保護が提供されるものではないと指摘している。最終的に人員配置を決めるのは指揮官だからだ。

英BBCロシア語版が6月に発表した調査報道では、ドローン操縦士として採用された学生が、当初は突撃部隊に配属された事例が複数あったことを突き止めている。BBCはロシア軍のドローン操縦士の戦死者も1000人超確認しており、この任務が依然として非常に危険であることが浮き彫りになっている。

次ページ > ロシア軍はドローン操縦士も最前線に近づけるようになっている

翻訳・編集=江戸伸禎

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2026.07.06 17:30

ウクライナが橋の破壊を激化、ロシア軍の補給遮断へ 高難度の目標をどう落としているのか?

ウクライナ東部ドネツク州フラニトネ村で、ウクライナ側の攻撃によって破壊されたとされる道路橋。ソーシャルメディアへの投稿から

ウクライナ東部ドネツク州フラニトネ村で、ウクライナ側の攻撃によって破壊されたとされる道路橋。ソーシャルメディアへの投稿から

ウクライナは6月、ロシアに対する「兵站封鎖」を強化し、新たな戦術を導入した。道路橋や鉄道橋、とくにロシア占領下のウクライナ南部クリミア半島への補給に用いられている橋の破壊だ。

これは新しい展開である。というのも、ウクライナにはこれまで、橋のような頑丈な構造物を破壊するための装備を欠いていると考えられてきたからだ。ところが、この1カ月ですでに数本の橋が破壊されている。この数はウクライナが2025年の1年を通じて破壊した橋の数よりも多く、2024年や2023年の通年実績も上回っている。

「攻撃目標にされた橋はとても多い」と英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のジャック・ワトリング博士は語る。

これは何か新たな秘密兵器が使われているわけではなく、ロシア各地の製油所への攻撃に投入されているものと同じ長距離攻撃ドローン(無人機)が精密に使用された結果だ。ほかに追加の手段や手法もいくつか組み合わされている。ドローンは橋を一度にではなく、少しずつ破壊している。

橋の破壊のために大型化してきた爆弾

ウクライナがかねて抱えていた問題は、十分な威力を持つ兵器の不足だった。たとえば2022年、南部ヘルソン州の橋に対して米国製HIMARS(高機動ロケット砲システム)の一斉射撃が試みられたものの、破壊するには至らなかった。2023年には、クリミアのチョンハル道路橋に対して英国製ストームシャドー巡航ミサイルによるものとみられる攻撃があったが、軽微な損傷にとどまった。どちらの橋も数日後には通行が再開された。

いずれのケースでも、使われた兵器が損傷を与えたのは路面だけだった。だが、橋を本当に使用不能にするには、道路や鉄路を支えているコンクリート製または鋼鉄製の橋脚などの支持構造を破壊しなければならない。

これは昔から難題だった。第二次世界大戦中に米軍が行った研究によれば、橋1本を破壊するには中型爆撃機が平均190ソーティ(延べ出撃回数)をこなし、合計で約320t(350米トン)の爆弾を投下する必要があることがわかった。これほど多くの出撃と爆弾を要するのは、爆弾を支持構造に直撃させるのが難しいからだ。裏を返せば、命中精度が上がれば大きな違いが生まれることになる。米軍は「爆撃精度を訓練学校で達成される水準近くまで向上させることができれば、必要な出撃回数を190ソーティから33ソーティに減らせる」と言及している。

次ページ > 大型爆弾による爆撃からから小型ドローンによる精密攻撃へ

翻訳・編集=江戸伸禎

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2026.07.03 17:30

ロ・ウクライナ両軍が滑空爆弾の使用を拡大 ロは1週間で1800発、再び戦局を左右する兵器に

ロシア空軍のSu-34戦闘爆撃機が誘導滑空爆弾を投下する様子。ロシア国防省が2016年6月8日、テレグラムに投稿した動画から

ロシア空軍のSu-34戦闘爆撃機が誘導滑空爆弾を投下する様子。ロシア国防省が2016年6月8日、テレグラムに投稿した動画から

ロシア軍とウクライナ軍は過去1カ月、いずれも戦術滑空爆弾の使用を拡大しており、双方で火力投射のあり方が変わりつつあることがうかがえる。この変化の背景には、ドローン(無人機)の広範な使用により、伝統的に集中火力を担ってきた火砲の運用が制約されるようになったという戦場の現実がある。

両軍とも作戦ドクトリンの中核的な要素として集中火力を頼みにしているため、火砲の制約が強まると代替手段として滑空爆弾の魅力が増した。こうした傾向が続けば、滑空爆弾は双方でますます大きな役割を担い、ロシア・ウクライナ戦争の次の局面を形づくっていくと予想される。

火砲に代わる滑空爆弾

ロシア軍とウクライナ軍はいずれも火力中心ドクトリンを採用しており、そこでは歴史的に火砲をはじめとする間接照準火力が敵戦力の主要な撃破手段とされてきた。歩兵は支援的な役割を与えられることが多く、大規模な砲撃によって掃討された地域を確保し、砲兵部隊が前進できるようにする。このドクトリン自体はこの戦争を通じても根本的には変わっていないものの、火力投射を火砲に依存した状態を続けることはどちらの側も難しくなってきている。

英国際戦略研究所(IISS)の軍事データベース「ミリタリー・バランス」によると、2022年2月の全面戦争開始時点で、ロシア軍は榴弾砲を2433門、ウクライナ軍は1176門保有していた。オランダのOSINT(オープンソース・インテリジェンス)サイト「Oryx(オリックス)」は、これまでにロシア軍の火砲類1716門、ウクライナ軍の火砲類1011門が撃破されたことを視覚的に確認している。両軍は外国からの供与や国内での開発・生産、旧式装備の修復によって大量の火砲を確保してきたとはいえ、これらの損失は甚大である。しかもオリックスの数字は確認されたものだけであり、実際の損失はもっと多いとみられる。

火砲の甚大な損失の要因になっているのがドローンの大量かつ広範な使用である。ドローンは敵の榴弾砲を捜索して戦場を哨戒しており、榴弾砲が発砲すれば即座に位置が特定される。ドローンは砲弾補給車両も探し出して攻撃し、榴弾砲を弾切れに陥らせている。

次ページ > 火砲に代わる重火力投射兵器として存在感を増す滑空爆弾

翻訳・編集=江戸伸禎

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2026.07.02 08:00

窮地に立たされたロシアのプーチン大統領、失脚への秒読み開始か

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領。2026年6月17日撮影(Contributor/Getty Images)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領。2026年6月17日撮影(Contributor/Getty Images)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、あらゆる面で窮地に立たされている。同大統領の置かれた状況の深刻さや起こり得る結末、そして想定される今後の流れについて考えてみよう。

本稿は、筆者が最近、セバスチャン・ユンガーの人気ポッドキャスト番組「サブスタック」に出演した際、プーチン大統領の失脚を予測した対談をまとめたものだ。ユンガーは世界的に活躍する戦争ジャーナリストで、数々の賞を受賞した作家であり、ドキュメンタリー制作者でもある。

ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島は、ウクライナ軍による絶え間ない無人機(ドローン)攻撃により、事実上、燃料の供給を断たれている。観光シーズンの最盛期に同半島から脱出しようとする車が何キロにもわたって渋滞する光景は、ロシアにとって極めて不都合だ。ロシアに残された唯一の燃料供給ルートは、同国本土と半島を結ぶ「クリミア大橋」だけだ。この橋は極めて象徴的な建造物で、これまで何度もウクライナ軍の爆撃を受けながらも、いまだにそびえ立っている。橋を渡るガソリン運搬用トラックは格好の標的となり、攻撃を受ければ巨大な火球が巻き起こることは確実だ。ウクライナ情報機関の関係筋によれば、このような大規模な攻撃は差し迫っている。

ウクライナ侵攻の戦況が逆転したことは周知の事実だが、現場の現実と同じくらい、世間の目に映る光景も重要だ。プーチン大統領もロシア国民も無視できないほどの特異な惨事が発生すると、現実そのものが変化する。ウクライナ侵攻という野蛮な冒険全体が、まさに大惨事として映るだろう。プーチン大統領は汚名を免れることはできない。それどころか、世間の目を操作することさえできなくなれば、その影響は増幅され、同大統領の失脚への秒読みが始まる。独裁政権では、信頼の喪失は正当性の喪失につながるからだ。

ウクライナ侵攻にも参加した退役軍人であるロシアの軍事ブロガー、アレクサンドル・ルニンは最近、反乱を警告し、プーチン大統領との対談をテレビ中継するよう要求する動画を公開した。その中で、ルニンは軍の上層部から打ち明けられた秘密をプーチン大統領に伝えなければならないと語った。この動画は1100万回再生された。ルニンはその後、別の動画で態度を軟化させたが、その直後、拷問する将校に銃を向けると脅迫する兵士たちの動画が公開された。ルニンは現在、刑務所に収監されている。2023年に起きたロシアの民間軍事会社ワグネル・グループの創設者エブゲニー・プリゴジンによる反乱の記憶が、人々の脳裏に鮮明によみがえっている。

ロシアの首都モスクワ近郊にある軍事施設や電力施設、燃料施設に対するウクライナ軍の攻撃映像が絶えず拡散されている。燃料不足で車のガソリンが見つからず、泣き崩れる女性の姿を映した動画も至る所で見られる。一方、ロシアの路上で男性が強制的に徴兵される映像も出回っている。多くの場合、親族が誘拐犯の車両を阻止しようとしている。なぜ執行者自身が最前線で戦わないのかという疑問が街頭で投げかけられている。

歴史的に見て、過去1世紀の間に2度も政変が起こり、モスクワの帝国が崩壊したのは、第一次世界大戦とアフガニスタン侵攻という悲惨な対外軍事作戦が原因だったことを忘れてはならない。

プーチン大統領への圧力が高まるにつれ、同大統領を取り巻く上層部は自らの運命を案じ、ルニンのような人物を通じて不安を代弁させている。一般市民は、責任があるのはプーチン大統領本人なのか、あるいは側近が同大統領の現状把握と是正を妨げているのか、いずれかだろうと推測するしかない。国民はまず、支配層を非難するだろう。だからこそ、支配層は恐怖から、軍よりも先に反旗を翻すことになるのだ。

次ページ > プーチン大統領の終焉はどのような形になるのか?

翻訳・編集=安藤清香

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