ゆきゆきて神軍 *2 | あまり大きな声では言えない映画スキー
2012-06-12 23:05:00

ゆきゆきて神軍 *2

テーマ:ドキュメンタリー
前記事のつづき☆彡



「映画になってる僕超カッコイイ!!素敵!!もっと、こう、僕の熱いパッションを魅せてやろうず!!」

と、言ったかどうかは知らんが、亡き戦友の老母と共にニューギニアに赴き
、国家の無意味さ、人命の重さ、

それよりなにより俺様のカッチョイイアナーキな姿を観ろ!!!!

的な自己愛に満ちた映像をお贈りするつもりで(戦友の御母堂はかの地を訪れる事は出来なかったっぽい。すんごいお年を召してたからなあ)勇んでパプアニューギニアに乗り込み、
良いだけはっちゃけたんだろうなあ、パプアニューギニア政府の逆鱗に触れ、かの地で撮影したフィルムぜーーーーーーーーーーーんぶボッシュートされたと文字だけでポンッと出る。
この辺の詳細はこの映画についての書籍が図書館なんかにあると思うので、興味があれば是非。
いいだけ振り回されるわ仕事無駄にされるわ、気の毒すぎるスタッフの苦悩と、はっちゃけ奥崎ちゃんの武勇伝を楽しめます。


さて、本来メインデッシュになる筈だった『ニューギニアでのカッコイイ僕の活躍』が無くなっちゃったわけで、映画は頓挫の危機を向かえる。
奥崎ちゃんも焦った訳よ、脚光を浴び時代のニューヒーローになれる筈だったのにこのままじゃいかん!!!(お前のせいでフィルム取り上げられたんじゃ阿呆)
で、他になんか活躍しなきゃ!!!ってんで突然フューチャリングされるのが、


自分の所属していた独立工兵隊第36連隊内で「戦病死」した兵士の死の真相(各兵とおっさんの面識の有無は不明)

「戦病死」となっているが終戦後21日も経って『銃殺刑』になったとされている。不自然だ!!

となにが不自然かというと、「日本が負けて戦争が終わったらしい」という話は、ニューギニアに散らばった敗走中の日本軍全体に、8月19日には知れ渡っていたらしく、
(奥崎のおっさんは既に投降済みだったのでその頃は捕虜ライフ満喫中)
日本が負けた、それも無条件降伏だっちゅーのもみんな知ってたと。それが意味する処はもう『日本軍』は存在していないということ。なのに銃殺刑?
あの滅茶苦茶であった戦争中でも、意外と日本人の銃殺というのはキチンと軍事裁判(まあ実際はやっつけなんだろうけど)やって記録が残されているらしい。
その記録がなーんもない。ただ、銃殺とされているだけ。(当時遺族には『名誉の戦死』と伝えられた)

奥崎はピコーン!と「この俺様がその真相を暴くって話でいこう(゚∀゚)!!!」と閃いちゃう。もう映画スタッフに奥崎を諭す気力は無かったろうから(ニューギニアの件で皆真っ白)進路変更ヨーソロー。
元々、戦友のお墓参り(前記事の飯ごうのお供え)や嘗ての上官(重病で入院中)を見舞ってネチネチ嫌味をわざわざ言いに行ってたのは間違いないんだけど
絶対最初っからそういう段取りじゃなかったと思う。


だって、こっからもうこのおっさんは笑えるオツムがアレな人から、笑えない狂人という次なるステージに進んでいくもん。


嘗て36連隊所属の下士官を訪問する事にした奥崎。最初に会った相手は明らかに彼の訪問を迷惑がっている。話をしてる最中に突然キレる奥崎。
「俺がちゃんと挨拶してるのになんで貴様は挨拶せんのかああああああああ」
と、人様のウチに土足で上がり込んで60は越えてるであろうお爺ちゃんを殴りつけようとする。

が、

流石年老いたと言っても旧大日本帝国陸軍軍曹、咄嗟に掴みかかれる前に払い腰で攻撃を躱す。
かっこよく嘗ての上官をシバキ廻す俺を演出したのに(いや、じーさん殴るとかないっつーの)、逆にカッチョ悪く組敷かれる奥崎。半ベソ状態でワーワー騒ぐ。
咄嗟に投げたはいいけどビックリしちゃった相手はボーゼンとしてしまい、やる気満々な奥崎にマウントされちゃう。
そこからはもう奥崎の弱いもの(年寄り)イジメ炸裂。狭い部屋の隙間にポッコリ嵌まり込んで身動き取れないじーさんをタコ殴りにする。
まあそのパンチもヘナヘナなんだけど。

そうそう、前科3犯の奥崎は警察の扱いにも長けている。やらかす時は事前に自分で警察を呼ぶ。脅す相手に「俺は警察を味方にしている」と思わせるのに大変効果的。
真っ当に暮らしてる人でも、警官突然ワラワラ湧いたら萎縮しちゃうよ。奥崎ちゃんはそういうコントロール術が得意。いっそのことマジでカルト教団でもすれば案外成功したかもネ。
でも、今回はじいさんの家族が警察に連絡してじじい苛め終了。
でも、よっぽどキャメラの前で爺に投げられたのが悔しかったのか、スタッフに「俺がやられてるのになんで助けないか!!こんな場面撮るなんて人間じゃない!!」とかキレる。

いや、ドキュメンタリーなんだろ?スタッフは空気じゃなきゃいけないんだから(建て前として)。おっさんの家来でも味方でもないから(-_-)
っていうか、還暦過ぎた年寄りを殴り付けるお前が言うか?『自分の為に暴力は振るったことがない男(自称)』さんよ(=_=)
ちなみに、最初の犯歴は『傷害致死』で、『賃借問題』ね。もう言ってる事もやってる事も自己都合だらけ。



そこから暫し、撮影は中断される事になる。



奥崎が拗ねてもうやらないって言い出したから。(爺さんに投げられたのがよっぽど恥ずかしかったようだ)

かと思えばおかしな構想を練って昼夜問わず監督にひっきりなしに電話を掛け、ダメ出しをされ又キレて終了宣言。
毎日そんな状態で、よくまだこんなおっさんに付き合うよな。まあ始めたからにはカタチにしないといかんって意地もあったろうけど、
この狂人にはある種の人を引き付ける魅力があったということかも知れない。


そして撮影は再開され、狂人は引き返す事が出来ない終着地点に向け、進軍を始める。




うーん、ナゲぇなあ。まあ次で終わる予定。
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