ゆきゆきて神軍 1987年 *1 | あまり大きな声では言えない映画スキー
2012-06-10 23:14:00

ゆきゆきて神軍 1987年 *1

テーマ:ドキュメンタリー
少し前に感想を書いたカチンコシルミドの呪い と一緒にネットレンタルで送られてきたもう1本がコレ。
封を開けて『なんか危険分子とかって国家にマークされるじゃん俺(-_-)』と我ながら呆れるラインナップ。
つってもネットレンタルは何が送られてくるか分からんシステムなので全くの偶然なんすけど。(確かにリストに入れたのはボクだけどさー)

タイトルでも分かると思いますが、マトモな映画ではござんせん。
右でも左でもなく、斜め上方向にオツムの針が振り切れたおっさんのドキュメンタリーなんですね。所謂アナーキスト、無政府主義者で自己愛バリバリ。
『神軍』と名乗ってますがその神自体が物凄くおっさんのマイルール。むしろもうおっさん自分が神って素直に言っちゃえよ面倒くさいなあ。


おっさんの名前は奥崎謙三。1920年に生まれ2005年没。
太平洋戦争時にはイギリス領ニューギニア戦線にて敗残兵としてオーストラリア軍に投降。戦争中後の逸話が色々ありますが正直胡散臭い。
なんたって(マイルールの)神軍ですから。

復員後、結婚して中古バッテリーの販売業を営み、1956年に賃借問題で不動産業者を刺殺、懲役10年の刑に服す。
そして1969年に元旦の皇族一般参賀にて皇族めがけてパチンコ球を撃ち込み逮捕。
更に1972年(だっけ?)に銀座の有名デパートの屋上から当時の天皇(昭和天皇)の顔をコラージュした猥褻ビラを撒いてまたまた逮捕。(両事件で3年半程服役)
出所後自費出版で、アナーキストな俺様ってカコイイ!!!なナンダコリャ自費出版本を連発。
何故か朝日新聞社社長の殺害計画を企てるも、これまた何故かテレビにたまたま映った故田中角栄氏に標的を変え、殺害予告の手紙を送り逮捕(起訴猶予)
【田中角栄を○すために記す 人類の啓蒙の手段として サン出版900円】
と自営する商店シャッター全面、及び自家用車トヨタ マークⅡにデカデカとペインティング(かなりイっちゃってるデザイン)

ここまでが映画が始まる前に行った(ペイントは継続中。自費出版は売り切らないとね!)おっさんの異業(偉業ではない)


実はこの映画、観るのは2回目でして・・・・ぶっちゃけ初見で寝ますた(-_-)
何故なら予備知識0で挑むという無謀さ故、意味が分からず意識がトンだ。
後々あのアンパン○ンのホラーマンみたいなおっさんがトンだアナーキーだったと知ってもう1回観たいなーと思ってたんだけど、
如何せん主演の経歴を見て分かる通りあんまりね、扱ってないわけよ。ちょっと若いカップルや休日の家族が仲良く観るには適さないよね、うん。
1回だけ見掛けたのがVHSで既にビデオデッキを始末した後だったので泣く泣く断念した。(まだ観られる友人は居たけど、とても人様のお宅で観るような奇行は冒せん)

したっけ、たまたまネットレンタルDVDの在庫に見付けちゃった。どーするよ。借りたいリストに入れちゃうじゃない☆彡


私は元々人間絡みのドキュメンタリーが好きではない。何故ならキャメラが介入している段階で、それはノンフィクションではないから。
構図を配慮し、照明を当てた上でフィルムに納められたソレは、もう意図的に撮影された『ヤラセ』だと思うから。
(資料映像なんかを編集でいじくるのもパス)

で、コレはモロにそのノンフィクションの皮を被ったフィクションなんだけど、ちょっと他と違うのが明らかに主導権を被写体が握っている点なのよ。
自分大好き奥崎さんが、キャメラをひっぱり廻し自分のカッチョイイ姿を記録させようとして、嬉々としてどんどん暴走していくの。
先にネタばらししとくと、最終的におっさん改造拳銃で全然関係無い人を撃って殺人未遂を犯す。
これって映画が絡んで無かったら絶対起こってなかった事件だと思うだよ。


冒頭、おっさんは知人の媒酌人を勤める。1980年代にまだこんな結婚式あるんだーっつー感じの、田舎道を角隠しの花嫁さんが徒歩で村(?)を練り歩いて婚家に入るなんとも長閑な日々の一コマ。
そこで媒酌人から新郎新婦の紹介がされるんだけどここでおっさん早々にやらかす。

「新郎の○○君は、神戸大学を卒業後、反社会運動の為逮捕され前科一犯であります(ドヤァ」
凍り付く宴席。
「そして媒酌人たるワタクシは、傷害致死で服役後、天皇をパチンコ(面倒なので省略)。13年を越える独房生活を送った人間であります!(ドオオオオオオヤアアアアアアア」
予想つくだろうけど自分の話の方がうーーーんと長い。

街宣車(この場合宣伝してんのは自分の本なのである意味正しい)であっちこっちでアジを飛ばしたかと思えば、
唐突に戦友の墓を訪ねて、飯ごうで飯を炊き(墓地で)、持参した梅干しと共に供える。
↑これが伏線になってるんだけど、ニューギニアでの食糧不足は過酷を極め、弾に当たって死ぬ何倍もの兵士が餓死や病死をしたんだそうな。
皆、からっぽの飯ごうを抱え、故郷を恋しいと泣きながら死んでいったと。

死んだ戦友の年老いた母親の肩を抱き「お母さん、僕と一緒にニューギニアに弔いの旅に行こう」と語る姿が丸々嘘だとは思わない。
思わないけど、自分大好き奥崎ちゃんが今は亡き戦友の為に鎮魂の旅に『だけ』行くわけがない。


キャメラは廻っている。主役は俺様。



神の軍人の狂った聖戦が始まる。





長くなるので、、、、つづく☆彡
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