インタビュー

「天幕のジャードゥーガル」作者が語る 歴史漫画創作は思考の遊び

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平岡春人 平賀拓史
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 13世紀のモンゴル帝国を描くアニメ「天幕のジャードゥーガル」の放送が4日、テレビ朝日系で始まった。原作の同名漫画(秋田書店で5巻まで刊行中)は、今年の日本漫画家協会賞大賞を受賞するなど高く評価されている。日本の人たちになじみ深いとは言えないモンゴルの歴史を、なぜ漫画に? 作者のトマトスープさんに尋ねた。

作者のトマトスープさん「もともとモンゴル帝国史が好きで……」

 ――「天幕のジャードゥーガル」は、チンギス・ハーン(1162年ごろ~1227年)の死後、さらに広大な領域を侵略・支配した時代のモンゴル帝国が主な舞台です。今作の連載を始めた経緯を教えて下さい。

 元々モンゴル帝国史が好きで、漫画家としてデビューする前から、モンゴル帝国に関する漫画やイラストをインターネット上に投稿していたんです。

 近世イギリスの海賊船を題材にした漫画「ダンピアのおいしい冒険」で商業デビューした後、出版社の秋田書店から「モンゴル帝国の漫画を描きませんか」と誘ってもらいました。担当編集者が、私の投稿を見ていたようです。

 モンゴル帝国はユーラシア大陸のほぼ全土にわたって侵略・略奪を繰り返した一方、東西の交通網を整備し、アジアやイスラム世界、ヨーロッパ間の文化的な交流を盛んにしました。そんな帝国の二面性が、私にとって面白くて、漫画にしたいと思いました。

 ――多くの人にとってイメージが湧きにくい「知られざる時代」を描いても売れないのではないか、という不安はあったのでしょうか。

 みんな知っているフックが何か一つでもあれば、読まれるきっかけになると思うんです。モンゴル帝国についてよく知らなくても、チンギス・ハーンの名前は知っているはず。知っていることを足がかりに知らない世界に足を踏み入れるのは、楽しい冒険のような読書体験になると思いました。

ファーティマを主人公にした理由

 ――主人公はモンゴル帝国を恨む元奴隷の侍女ファーティマで、第2代皇帝の第6妃ドレゲネと手を組んで帝国の崩壊をもくろみます。歴史ファンでも知らない人の多いファーティマを、なぜ主人公にしたのでしょうか。

 最初は、ドレゲネを主人公にしようと思っていました。彼女が一国の命運を左右する存在になった理由は想像の余地があるから、面白くなりそうだなと。

 けれど、ドレゲネはお姫様な…

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この記事を書いた人
平岡春人
文化部
専門・関心分野
音楽、映画、人権
平賀拓史
文化部|論壇担当
専門・関心分野
論壇、社会思想、歴史学、ヨーロッパなど

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