【虎番リポート】阪神・森下翔太 劇弾生んだ“大人の余裕”8回左肘に死球受けるも…逆に相手選手を気遣う
心身ともに充実しているからこそ、今年は状態の浮き沈みも少ないのだろう。毎年6月になると「体に疲労がくる」と話してきた阪神・森下が、今年は打率・359(64打数23安打)、5本塁打、13打点をマークした。過去3年の通算打率・227の6月を突破し、自身初の月間MVPも視界に捉えている。阪神入団直後から取材に携わる身として、直近は技術的な進化もさることながら、心の余裕が好結果につながっていると感じる。物語る象徴的なシーンがあった。 【写真あり】痛っ!森下翔太がリーグトップの今季10個目の死球…痛みをこらえて向かった一塁上にいたのは… 前日6月30日の中日戦。8回1死無走者の4打席目に、左肘に両リーグトップ10個目の死球を受けた。その直後、天を仰ぎながら深く息を吐いたが、痛みをこらえていた訳ではない。 「内心はこの場面でデッドボールをもらってラッキーだなと思って。怒りも何もありませんよ」 意気揚々と一塁へ。一塁を守っていたのは8回表に代打出場し、背中付近に死球を浴びていた福永。謝罪の声を掛けられたが、「福永さんのデッドボールの方が絶対痛かったと思ったので、そういう行動になった」と、むしろ声の主を気遣う行動を見せた。その次打席で今季2度目のサヨナラ弾を放ったのは、決して偶然ではない。 今季は6月6日にストライク判定に不服の表情を見せ、球審に暴言を吐いて退場宣告を受けた。その時の真相はあえて聞いていないが、以降は打っても打てなくても、森下は受け答え、表情が穏やかになっているように感じる。目下、リーグ断トツの19本塁打。「心技体」とはよく言ったものだ。周囲の想像を超えていく成績を残せる選手は、プロ野球界でもそうはいない。ただ感情のコントロールができれば、森下が紛れもなくその一人であることは間違いない。(石崎 祥平)